欧州

2025.11.25 09:30

ドイツ経済復活に向けメルツ首相がすべきこと 米フォーブス編集主幹

ドイツのフリードリヒ・メルツ首相。2025年11月6日撮影(Sean Gallup/Getty Images)

結構なことだ。だが、経済を活性化させるには、大胆な減税に着手する必要がある。経験が繰り返し示しているように、適切に実施された大幅な税率引き下げは、商業活動を急速に活性化させる確実な方法だ。

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大胆さという点では、メルツ首相はエアハルト元首相が第二次世界大戦の廃墟から一夜にして「ドイツの奇跡」として知られる経済復興を成し遂げた手法から学ぶべきだ。戦後のドイツ経済は、高額な税金や息の詰まるような戦時統制と配給制、価値のない通貨により、瀕死の状態に陥っていた。食料や生活必需品の不足は日常茶飯事だった。

ナチスとのいかなる関わりも持たなかったエアハルトは、連合国占領地域の経済評議会の議長に就任した。大きな懐疑論に直面しながらも、エアハルトは信用を失った旧通貨に代わる新通貨、ドイツマルクを導入した。エアハルトは戦時統制と配給制も廃止した。心配した米軍の最高責任者は、連合国の専門家らはこの大胆な手法はうまくいかないと考えているとエアハルトに警告した。エアハルトは答えた。「心配ない。私の専門家たちも同じことを言っている」。別の将校は、エアハルトが現行の制度に変更を加えるには連合国の許可が必要だと指摘した。エアハルトは答えた。「その通りだ。しかし、私は制度を変更しようとしているのではない。廃止しようとしているのだ」

エアハルトは減税も実施し、ドイツの財務相に就任すると、その後数年間にわたり体系的に税率を引き下げていった。ドイツ経済はかつてないほどの急成長を遂げた。

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今日の同国の税負担ははるかに大きく、経済を圧迫している。個人所得税はあっという間に最高税率の42%に到達する。ドイツの法人税率は欧州で最も高い水準にあり、メルツ首相が提案するように数年先ではなく、直ちに引き下げるべきだ。各種社会保障費は給与額の40~42%という驚異的な割合で、雇用主と従業員が均等に負担する。これは米国のほぼ3倍に当たる。こうした税率は大幅に引き下げられるべきだ。26.375%の資本利得税も半減すべきだ。

これに伴う経済の繁栄は、最終的に政府の歳入を増やすことになるだろう。ドイツが成功すれば、他の欧州諸国も模倣するようになる。そうなれば、危険な不満をあおる政党は退くことになるだろう。

forbes.com 原文) 

翻訳・編集=安藤清香

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