グーグルは現在、Gemini由来のAI機能でGmailをアップグレードしつつある。段階的に組み込んでいる状態だ。しかしこうしたアップグレードは高い代償と引き換えであり、セキュリティ研究者やプライバシー擁護派、利用者の間で強い反発を招いている。この反発は驚くべきことではない。
GmailのAI機能やスマート機能を使い続けて自分のメールや添付ファイルへのアクセスを認めるのか、または設定を変えてデータ利用を制限するのかを慎重に判断する必要がある。
GmailのAI学習は初期設定で有効化されており、手動での無効化が必要になる
筆者はこれまでも、グーグルの全製品――そしてマイクロソフトなど他社の製品――にAIの強化機能を組み込む、「AI開発競争」には慎重な対応が必要だと警告してきた。だが、AIの学習のためにあなたのデータを収集させることは赤信号としてきた通り、第三者の手によるクラウドサービスに自分の私的データの解析を許すという事実は、さらに根深い問題である。
グーグルは最新の更新について、「ユーザーにデータに関する選択肢とコントロールをこれまで以上に提供し、当社の基本的なデータ取り扱いの実務や強固なプライバシーへのコミットメントを変更するものではありません」と説明している。だが、AIに関してはいつもそうだが、現実は細部に潜んでいる。
エンジニアのデビッド・ジョーンズはXにこう投稿した。「Gmailを使っているすべての人への重要なメッセージ。あなたは自動的に『オプトイン』され、Gmailがあなたの私的なメッセージや添付ファイルすべてにアクセスしてAIモデルの学習に使うことを許可しています。設定メニューの2カ所でスマート機能を手動でオフにする必要があります。周知のためにリツイートしてください」。
IMPORTANT message for everyone using Gmail.
— Dave Jones (@eevblog) November 19, 2025
You have been automatically OPTED IN to allow Gmail to access all your private messages & attachments to train AI models.
You have to manually turn off Smart Features in the Setting menu in TWO locations.
Retweet so every is aware. pic.twitter.com/54FKcr4jO2
Malwarebytesは次のように説明する。「背景にあるのは、グーグルがGeminiでGmailの新機能を強化し、メール作成をより迅速にし、受信トレイをより効率的に管理できるようにする取り組みです。そのためにグーグルは、添付ファイルを含む実際のメール内容を用いてAIモデルの学習と改良を行っています。現在、一部のユーザーから、明示的なオプトインを求めるのではなく、これらの設定がデフォルトでオンになっているとの報告が出ています」。



