働き方

2025.11.22 08:37

出社強制より大切なもの—真の「チーム結束」指標の構築

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アンドレイ・クレトゥ氏は、企業向けの新しい働き方インフラを構築するB2BソリューションPluriaのCEO兼共同創業者である。

米国では、企業の約33%がオフィスワーカーに対してフルタイムの出社を義務付けている。2024年のCBREによる欧州企業調査では、75%以上の企業が何らかの出勤ポリシー(特定の曜日など)を設けているが、それを義務化しているのは約半数にとどまる。

つまり、調査対象の欧州企業のうち約半数だけが、固定スケジュールでのオフィス出社を義務付けているということだ。企業はオフィス出勤率に非常に注力しているが、本当の目的である「人と人をつなげること」を忘れがちである。

オフィス出勤だけでは、特に強制された場合、多くの問題は解決しない。人々は一日中隣り合って座っていても、一言も交わさないことがある。あるいは、オフィスに行っても終日Zoomミーティングに閉じこもり、お互いを無視することもある。これはつながりではなく、ただのフラストレーションだ。

一方、ルールに従うからではなく、自分が望むから集まるとき、本当のつながりが生まれる。本物の会話が展開し、障害が取り除かれ、プロジェクトが前進し、アイデアが生まれる。

現在、チームの結束度を測る重要業績評価指標(KPI)は存在しない。誰もそれをどう測定すればいいのか、どこから始めればいいのか分からない。オフィス稼働率が私たちの頭にあるのは、それが最も関連性の高い指標だからではなく、最も簡単な指標だからだ。どのデスクが使用されているか、一週間で何枚のカードがスワイプされたかを自分の目で確認できる。ミッション完了だ。

しかし、簡単であることが良いことを意味するわけではない—企業にとっても、従業員にとっても。では、なぜ私たちはこの段階で立ち往生しているのだろうか?

欠けている指標:真のチームのつながり

2023年の「グローバルハイブリッドワーキングレポート」によると、企業の37%が、働き方に関係なく、人々が交流できるよう、時折の対面ミーティングやチームビルディングイベントを奨励している。しかし、さらに踏み込んで、本物のKPIを示唆するような、より体系的なアプローチを構築しているのはわずか20%にすぎない。

他のHRやリーダーシップに関する論文では、帰属意識、コラボレーション、満足度などのエンゲージメント指標が、より大きなKPIフレームワークの一部として追跡されていると言及されている。しかし、これらは通常、チームを実際に結束させる要素を特定するのではなく、「従業員エンゲージメント」全体としてまとめられる傾向がある。

私たちは、近接性とつながりを混同するのをやめる必要がある。同じ空間にいるだけでは不十分だ。重要なのは、人々が単なる従業員としてではなく、人間として現れることができる瞬間をデザインすることだ。つまり、出勤率KPIからつながりKPIへと焦点をシフトする必要がある。「今週は何台のデスクが埋まったか?」ではなく、以下のような指標が重要だ:

• 「人々はどのような時に自発的に集まったか?」

• 「どのプロジェクトが実際にチーム間のコラボレーションを促したか?」

• 「何かを前進させる会話が行われたか?」

チームを真に結束させるには、人々で埋め尽くされた平方メートルではなく、同じ空間で働くことが実際に私たちの望むもの—コラボレーション—につながる状況を特定するため、人々により焦点を当てる必要がある。このようにして、コラボレーションが自然に生まれる適切な場所を特定できる。

そのような触媒を見つけるには、オフィス復帰(RTO)の命令ではなく、その存在感によって他者を同じテーブルに集める才能を持つ、チーム横断的な人材を探すことだ。真の結束は規則からは生まれない。それは「一緒にこれを解決しよう」という単純な衝動から生まれるのだ。

現在、このようなKPIを追跡している企業はほとんどなく、それがまさに問題なのだ。私たちはオフィス稼働率、記録された時間、会議の招待状などの簡単なことを測定し続けているが、信頼、帰属意識、ブレークスルーといった本当に重要なことは測定していない。オフィスがどれだけ埋まっているかではなく、仕事がどれだけ活気に満ちているかが重要なのだ。

出勤からアライメントへ

ハイブリッドワークの未来で成功すると私が考える企業は、つながりをKPIとする企業だ。これは単に生産性や不動産の問題ではない。それはウェルビーイングの問題だ。フォーブスのシニアコントリビューターであるベンジャミン・レイカー氏が警告するように(登録が必要)、対話なしに柔軟性が奪われると、人々は追い詰められたと感じる。信頼が損なわれ、恨みが募り、チームはモチベーション以上のものを失う。

だからこそ、私たちは指標を再考する必要がある。コラボレーションが実際にどのように起こり、それをどう促進できるかを示す、より良い指標を導入すべきだ。「私がそう言うから毎週火曜日にオフィスにいなさい」ではなく、「週に2回チームと会いなさい—場所と方法はあなた次第」というアプローチだ。

これらのKPIがパフォーマンスの定義の一部になるとき、私たちは出勤率を測定するのではなく、アライメント(方向性の一致)を測定し始める。それこそがハイブリッドワークが機能し始める瞬間だ—オフィスのレイアウトではなく、人々の間で起こることの質において。

forbes.com 原文

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