もしあなたが働いていて幸せでないとしたら、思っている以上に犠牲を払っているかもしれない。
米国の労働者で自分の仕事に完全に満足している人は半数にとどまっており、従業員のエンゲージメント率はもっと低い。さらに悪いことに、米ジョンズ・ホプキンズ大学の調査によると、従業員のウェルビーイングは過去最低を記録している。多くの人が、毎週なんとか乗り切ってると感じているのも不思議ではない。
作家で基調講演者でもあるジェシカ・ワイスの新著『Happiness Works』は繁栄する職場文化の構築について書かれており、長年にわたってフォーチュン500の企業やテックスタートアップにアドバイスを行ってきた経験に基づいている。ワイスが得た結論はというと、働く上での幸せは「あったらいい」ものではなく、戦略的なもので従業員が燃え尽きることなく成功するために不可欠なもの、ということだ。
ワイスの新書は、職場で持続可能な幸福を生み出すための実践的な戦略を示している。ワイスは体裁をよく見せたりはしていない。幸福を手に入れるためには努力が必要であり、「前向きに考えよう」というようなアドバイスではうまくいかない。むしろワイスの本は有害なポジティブさへの対処法だ。ワイスは、より健全で充実した仕事との関係を築くための、実践可能で研究に裏打ちされた方法を現実のエピソードと実際に使える明確なフレームワークを通して紹介している。
そうした取り組みは重要だ。というのも、労働者は幸せなとき、生産性が13%向上するのだ。よりスマートに働きたいなら、ワイスのヒントを参考に幸福を戦略の一部にすることをお勧めしたい。
ワイスの本が優れている理由
『ハピネス・ワークス』は研究と実際の体験談を融合させ、職場での幸福を優先しやすくする実行可能な方法を紹介している。特徴は以下の通りだ。
●現実的
ワイスは幸福の課題があることを認め、労働者が直面する困難に目をつぶっていない。
これは重要なことだ。ほとんどの米国人は一生のうち約9万時間、つまり人生のほぼ3分の1を仕事に費やしている。ワイスによると、仕事で不幸な場合、それは職場以外のところにも影響が及ぶ。その影響は恋愛関係や健康、そして全体的なウェルビーイングに現れる。
実際、仕事のストレスは頭痛や眠れない夜を引き起こすだけではない。やがて心血管系疾患や心理的緊張など、健康上の問題を招く可能性がある。ワイスは事例や研究を通して、幸せになるという取り組みがなぜ価値あるものなのかを示している。



