UNDER30世代に伝えたいこと
高校生の頃に考えたSTUTSというアーティスト名は、吃音を意味する“Stuttering”という単語から取りました。悔しいこともあるけど音楽だったらこんなことができるんだ、という気持ちを込めて。
今では、そういう見返したいみたいな気持ちはそこまで強く無いですし、そう言った名前を付けたのもあまり良くなかったかなと思っているのですが、今までの人生を振り返ってみるとやっぱり悔しい経験が自分を成長させてくれたんだなと思っています。
僕自身もそうなのですが、人が作り出す音楽って穏やかで幸福な感情だけではなく、悲しみや悔しさ、ネガティヴな感情も原動力にして生まれてるんじゃ無いかなと思います。
そうした様々な感情を最終的にポジティブに向かう形で音楽へ昇華したい。根本的に、僕は前向きでありたい人間なのだと思います。
10代〜20代前半の頃は、思っているような評価を受けられない時期もあったし、挫折や格好悪い経験もあります。それでも、JJJやKMCさんを初めとする仲のいいアーティストさん、レーベルの仲間たちをはじめ、たくさんの経験と人々との巡り合わせがあって、その全てが幸運な出会いでした。
創作は評価されればもちろん嬉しいけれど、周囲のジャッジを第一にすると辛くなることもあります。だから何より、自分がいいと思えるものを突き詰めていくことが大事です。そうすれば何かになるかもしれないし、時にはならないかもしれない。それでも、ワクワクする心があるなら続ければいい。根底にある楽しさやよろこびを忘れないことが、なにより自分の活動の支えになってくれると思います。
スタッツ◎1989年生まれのプロデューサー・トラックメーカー。自身の作品制作やライブと並行して、数多くのプロデュース、コラボレーションやTV・CMへの楽曲提供など活躍の場を広げている。2021年4月にはTVドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」主題歌『Presence』を発表。同年10月にSTUDIO COASTワンマンライブを成功させた。2022年10月に3rd アルバム『Orbit』、12月にはMirage Collective名義でのアルバム『Mirage』をリリースした。2023年6月に初となる日本武道館公演を成功させた。2025年9月23日には初のアリーナ公演『Odyssey』を開催した。


