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2025.11.29 11:15

Z世代の9割超が気まずさネイティブ、沈黙と0いいねに怯える心理

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Z世代(18歳から24歳)にとって、「気まずい」という言葉は、既に特別な感情ではなく、日常的なコミュニケーションを象徴する共通言語となっている。Z世代創造性研究所の調査によれば、Z世代の93%がこの言葉を日常的に使用し、さらに94%が日常生活で「気まずさ」を実感した経験を持つ、まさに「気まずさネイティブ」の世代であることが明らかになった。彼らが抱えるこの独特な「気まずさ」の感覚を理解することは、Z世代と円滑に付き合う上で不可欠な要素となる。

Z世代の感じる気まずさの根源には、デジタルネイティブ特有の「空気を読むこと」を前提とした繊細なコミュニケーションと、SNSによって関係性が常に可視化されているという環境がある。

Z世代が最も「気まずい」と感じる場面として、67%の人が「沈黙が続いたとき」を挙げた。対面の会話における「間」や「途切れ」を恐れ、強いストレスを感じる傾向を物語っている。

この沈黙への恐怖は、デジタル上でも形態を変えて現れている。人間関係に悩みを感じると回答した人は77%に上る。「対人距離の取り方」(43%)が要因という人が多いが、「SNS文化の影響」(22%)や「既読・未読のプレッシャー」(20%)とSNSでの人間関係を挙げる人も少なくない。特に、「グループLINEで発言したら会話が止まった」「SNSでの投稿に誰からもいいねがつかない(0いいね)」といった、コミュニケーションの結果が数値やログとして明確に表れる現象に、Z世代は強い気まずさを感じている。既読スルーやいいねの数という、旧来の世代にはなかった新しい指標が、彼らの精神的な重圧となっているのだ。

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文=飯島範久

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