食&酒

2025.11.22 15:30

女性鮨職人、厳しい道の先にあったもの|幸後綿衣×小山薫堂スペシャル対談(前編)

小山:では、自分の武器を3つあげるとしたら?

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幸後:鮨。ワイン。......いい人?

小山:アハハ、確かにいい人ですよね。でも、僕は「あらい」の個室でしか幸後さんに会ったことがなかったから、「情熱大陸」で特集されているのを見たとき、びっくりしたんですよ。こんなに野心を持った人だったんだと。例えば、いつか世界に出たいと思いますか?

幸後:海外旅行は好きです。それは経験値としてで、世界を知っているほうがお客様との会話も豊かになりますし、お勧めできることも増えますし。でも鮨に関してなら、これは私の主観ですが、東京のいまのお店でやるほうが、自分の目指すベストクオリティを担保できると思います。

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小山:では、自分が理想とする店があるとして、いま何%くらいですか。

幸後:......99%。

小山:99!残りの1%は?

幸後:謙遜?(笑)

小山:アハハ。

幸後:それは冗談ですが、実際にいまのお客様に出しているものに関して、妥協は一切ないです。ありがたいことにスタッフにも恵まれ、料理にしてもサービスにしてもやりたいことができている。本当に毎日がハッピーです。

今月の一皿

ゲストの幸後が足繁く通う東京・新宿御苑「ロマーナ」のカルパッチョを料理人ゴロー氏が再現。

blank

都内某所、50人限定の会員制ビストロ「blank」。筆者にとっては「緩いジェントルマンズクラブ」のような、気が置けない仲間と集まる秘密基地。


幸後綿衣◎1989年生まれ。福岡県で育ち、高校進学と同時に上京。上智大学を卒業後、鮨職人を目指し、「すし匠」「西麻布 拓」「鮨 あらい」にて修業。2018年、渡仏。19年、「鮨 あらい」に復帰。23年11月に独立し、麻布十番に、「鮨 めい乃」をオープン。

小山薫堂◎1964年、熊本県生まれ。京都芸術大学副学長。放送作家・脚本家として『世界遺産』『料理の鉄人』『おくりびと』などを手がける。熊本県や京都市など地方創生の企画にも携わり、2025年大阪・関西万博ではテーマ事業プロデューサーを務める。 

写真=金 洋秀

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