北米

2025.11.22 08:00

米国には移民制度改革が必要 米フォーブス編集主幹

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韓国・現代自動車グループが米南部ジョージア州に建設中の工場で9月、数百人の韓国人らが一斉に拘束された事件は、深刻化する移民問題に米政府が直ちに対処する必要性を浮き彫りにしている。

米国のドナルド・トランプ大統領は政権に復帰すると、かつては開かれていた国境を即座に閉鎖し、不法入国した暴力団をはじめとする犯罪者を容赦なく国外追放するという奇跡的な成果を成し遂げた。

しかし今、米国はより困難な課題に直面している。何百万人もの不法入国者、すなわちジョー・バイデン前政権下で入国した人たちだけでなく、何年も、何十年もここに居住してきた人たちに対して、どう対処すべきかという問題だ。不法に入国したこと以外には、ほとんどの人は法律を順守し、米国に根を下ろしている。また、未成年の時点で親に連れられて不法入国した「ドリーマー」と呼ばれる人たちもおり、その数は推定250万人に上る。

ジョージア州で起きた韓国人不法労働者の一斉摘発は、入国以外の法律違反行為を犯していない不法滞在者を捕らえて国外退去させるための取り締まりが、経済の一部、特に農業、建設業、娯楽・観光産業、ハイテク産業に打撃を与え始めていることを如実に示している。家政婦や造園業者、高齢者の介護助手といった職業も同様に影響を受けるだろう。不法入国以外の点では法を順守してきた移民に対する大量拘束に対し、一般市民の反発はますます強まるのではないだろうか。

ドリーマーに関しては、トランプ大統領はこれに該当する人たちを永住権取得者とする法案を推進し、終わりのない不確実性に終止符を打つべきだ。ドリーマーの多くが今、家庭を築きながらキャリアを追求している。だが、こうした人たちに投票権は与えられない。この特定の課題に前向きに取り組むことには幅広い支持がある。

農業や建設業、そして恐らくさまざまなサービス業において、移民が合法的に入国し、一定期間必要とされる分野で働くことができるような就労制度を実施すべきだ。今回拘束された韓国人の多くは高度な技術を持つ技術者や作業員であり、工場を稼働させるために一時的に滞在していた。米国に開設されている他の外資系工場や研究所でも、確かに同じことが言える。この分野における熟練人材の需要は現実のものだ。

外国からの入国志願者に対し、精密な審査手法が必要だ。将来の人材を他国に奪われたくはない。何しろ、米国の上位企業のほぼ半数は移民または移民の子孫によって設立されたのだ。

現在不法滞在している数百万人もの人々に対しては、少なくとも一時的な在留資格を申請できる方法を考案すべきだ。こうした状況はすべて、現行の移民制度を大幅に簡素化する必要性を強調している。規則に従って行動する人が、何年も宙ぶらりんの状態に陥る可能性があるからだ。

forbes.com 原文) 

翻訳・編集=安藤清香

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