欧州

2025.11.21 08:30

ボートに乗ったロシア軍水兵が散弾銃で無人機を次々に撃墜 有効な戦術なのか?

ウクライナのドニプロ川でロシア兵らがFPVドローン(無人機)を迎撃しているとみられる様子。テレグラムに投稿された動画から

小型ジャマーの有効距離は一般に50〜100mぐらいで、ドローンがこの範囲に入ると操縦士は制御を失う可能性がある。制御不能になったドローンは弾道軌道を描いて墜落することが多い。FPVドローンの弾頭は信管が付いているので、操縦者が制御していようがいまいが、衝突した瞬間に爆発する。

advertisement

注目に値するのは、数週間の訓練を受けただけで陸上の突撃に送り込まれ、装備も貧弱ないつもの「モービク(動員兵)」と異なり、このボートの海軍歩兵たちは精鋭部隊のように見える点だ。

「これらの海軍歩兵は、ロシア軍の通常の前線部隊よりも格段に優れた装備をしています。ほかの精鋭部隊と同じく、彼らも散弾銃の使用訓練を受けていた可能性が濃厚です」(Roy)

動画の投稿者は、兵士のひとりが太ももにあらかじめ止血帯を巻き、破片で負傷した際に即座に締め上げられる状態にしていることを指摘している。彼がこの任務で負傷する可能性が高いと考えていたのは明らかだ。

advertisement

Royによると、この止血帯はウィンドラス(巻き上げ)タイプのもので、「標準支給品のゴムバンドよりもはるかに効果的」だという。これもまた、彼らが精鋭部隊であることを示唆する。

2分45秒あたりの場面では、ボートが停止して、水の中を歩いてくる別の海軍歩兵の一団を収容している。Royの見るところ、ドローンを被弾した別のボートの生存者たちのようだという。先頭の兵士は、片方の手に突撃銃、もう片方に散弾銃を持っている。

「命を救う散弾銃」に潜む生存者バイアス

FPVドローンを近距離から散弾銃で撃ち落とせること自体は明らかであり、事実このやり方で兵士の命が救われている。両軍とも散弾銃を大規模に採用していて、散弾銃の提供の呼びかけも頻繁に行われている。ウクライナ当局にこのほどオランダの支援者から、トルコのフサン社製「MKA1919」などの半自動式散弾銃700丁あまり、素早く狙いを定めるための赤色ドットサイト(照準器具)130個、銃弾2万発が寄贈されたことも報告されている

ロシアのあるブロガーは「防空拠点の対空射手や機動ハンティンググループ(ドローン迎撃部隊)が好んで用いている武器は、大容量の弾倉を備えた自動散弾銃だ」と書いている。FPVドローンに対しては突撃銃や機関銃は「はるかに効果が低い」とも指摘している。

次ページ > 実際には散弾銃でのドローン迎撃に失敗した事例も多い

翻訳・編集=江戸伸禎

タグ:

連載

Updates:ウクライナ情勢

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事