欧州

2025.11.21 08:30

ボートに乗ったロシア軍水兵が散弾銃で無人機を次々に撃墜 有効な戦術なのか?

ウクライナのドニプロ川でロシア兵らがFPVドローン(無人機)を迎撃しているとみられる様子。テレグラムに投稿された動画から

ウクライナのドニプロ川でロシア兵らがFPVドローン(無人機)を迎撃しているとみられる様子。テレグラムに投稿された動画から

ロシア軍によるドニプロ川でのボート作戦を撮影した劇的な動画には、乗組員らが散弾銃を使って、ウクライナ軍のFPV(一人称視点)ドローン(無人機)による度重なる攻撃を撃退する様子が映っている。

カナダ人OSINT(オープンソース・インテリジェンス)アナリストのRoyがXで共有したこの動画は一見すると、よく訓練され装備の整った射手のチームであれば、FPVドローンの活動が激しい区域ですら切り抜け、生き残れることを示しているように見える。だが動画を詳しく検討すると、ことはそう単純でないことがわかってくる。

これらのロシア兵は何者なのか

3分ほどのこの動画は、ロシアの海軍歩兵がヘルメットに取り付けたカメラで撮影したものだ。細い水路をボートが高速で進む様子が20秒ほど映し出されたあと、別々の交戦場面がほぼ途切れなく続くという構成になっている。

次々に飛来するドローンに対して、少なくとも3人の兵士は半自動式の散弾銃で、1人は自動小銃で、1人はベルト給弾式の機関銃で応戦している。動画内ではドローンが13機撃墜されており、うち2機はボートの上や横をかすめて墜落している。これらは乗組員を負傷させた可能性があるが、動画では確認できない。

いくつかの交戦場面では、乗組員らが見えないドローンに向けて空中に発砲している。ほかの場面ではFPVドローンが識別できるほど彼らに接近していて、1機はボートのそばに落下している。

動画は1回の多事多端な任務で撮影されたように編集されているが、実際はそうではなかったことをうかがわせる手がかりがいくつかある。ひとつは、空模様が「曇り→青空→曇り→青空→曇り」と、ころころと変わっている点だ。天候が変わりやすい日だったという可能性もなくはないが、別々の日に行われた複数の作戦の映像を編集でつなぎ合わせたものと考えられる。

飛来したドローンのうち、何機が射撃で撃ち落とされ、何機がジャミング(電波妨害)で落とされたのかも判然としない。動画ではボートの上部構造物に、ロシア軍の大半の戦闘車両に搭載されているようなジャマー(電波妨害装置)のアンテナが取り付けられているのが見える。

Royは筆者の取材に「ロシア軍のこのボートはEW(電子戦)ジャマー一式を備えています」と説明し、「落とされたFPVドローンの一部、とくに散弾銃の有効射程外で落下したものは、これらのジャマーが原因だった可能性が高そうです」と推測した。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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