5. 優れたリーダーは、プロセスと部下を信頼する
優れた管理者は、「マイクロマネジメントはそれぞれの責任感を殺してしまう」と理解している。あらゆる決定に介入し、あらゆる選択を後から批判すれば、「あなたを信頼していない」という明確なメッセージを送ることになる。チームは、自ら行動することをやめ、あらゆることであなたの承認を待つようになるだろう。
●責任放棄ではなく委譲
優れた管理者は、明確な期待値を設定し、必要なリソースを提供した後は手を引く。これは責任放棄ではない。権限委譲だ。Deloitteの調査によれば、信頼は、従業員のエンゲージメントを左右する重要な要素だ。リーダーから信頼されていると感じている従業員は以下のとおりとなる。
・仕事への意欲が260%高い
・欠勤の可能性が41%低い
・別の仕事を探す可能性が50%低い
●手放すことを学ぶ
ある創業者は、問題は自分だと気づいた。チームが解決策を提案するたび、あら探しをしていたのだ。そこで、創業者はあるルールを決めた。決定が壊滅的または取り返しがつかないものでない限り、チームの決断を支持するというルールだ。
チームは、創業者だったらやらないような選択をするようになった。見事に成功したものもあれば、失敗したものもあった。しかし、チームは能力を存分に発揮する自由をついに手に入れ、予想を超える成果を上げ始めた。
信頼は、管理よりも速く拡大する。部下を信頼すれば、組織は、従業員の総力と同じ速さで成長できる。優れたリーダーは、常に管理よりも拡大を選ぶ。
●プロからのアドバイス
チームがあなたの意見と異なる決定をしたときは、「48時間ルール」を実践しよう。介入する前に48時間待つのだ。ほとんどの場合、チームは自ら軌道修正するか、あなたの懸念が根拠のないものだったと証明するだろう。
「怠惰なリーダー」はなぜ勝つのか
勤勉さを美徳とする文化では、戦略的な抑制こそが競争優位性となる。他の人たちがすべてをこなそうと消耗するなか、最も優れたリーダーは、最も重要なことのためにエネルギーを温存する。
最も優れたリーダーは、自分抜きでも機能するシステムを構築し、思考の余地を生み出し、部下たちは状況に応じて力を発揮すると信じる。その結果、より高いパフォーマンスを発揮するチームと、持続可能な成長が生まれる。
次に誰かが、あなたの抑制を怠惰と誤解したら、それはあなたが正しいことをしている証拠だと受け止めていい。あなたは、多くのリーダーが見落としていることに気付いたのだ。より多くを達成する鍵は往々にして、やることを減らすところから始まる。


