マスクが間抜け呼ばわりの投稿、NASAの暫定長官も務める運輸長官ショーン・ダフィー
もしマスクが、かつて友好関係にあったトランプ大統領とのつながりに期待して手続きが容易になると考えているなら、彼は失望することになるかもしれない。NHTSAが報告する相手である運輸長官とマスクは、少なくとも“友好関係”とは言えない状況だからだ。
運輸長官であり、NASAの暫定長官も務めるショーン・ダフィーが、月面着陸の契約をマスクのスペースXではなくジェフ・ベゾスのブルーオリジンに与える可能性に言及した際、マスクはXでダフィーを「ショーン・ダミー(間抜けなショーンの意)」と呼び、「IQは2桁だ」とも投稿した。
テスラのEV販売は2023年の180万台を頂点に減速し、昨年は1.2%減少した。2025年も2年連続の落ち込みが見込まれ、販売台数は160万台前後にとどまりそうだ。一方、かつてマスクが嘲笑した中国のBYDは、すでに電池式EVの世界販売でテスラを上回っている。マスクはロボタクシーやヒューマノイドロボットへ軸足を移す構想を掲げているものの、テスラにとって最大の収益源は依然として自動車であり、サイバートラックの失敗に続く“次のヒット商品”を必要としている。
「2ドア車は人気がない」という米国市場の現実、専門家も懐疑的
マスクが望む仕様のままサイバーキャブを売るより、安全策として販売を見送った方が現実的かもしれない。だが、その場合でも販売台数が大きく伸びるかどうかは疑わしい。根本的な理由は、その設計にある。サイバーキャブは2ドア車なのだ。
「2ドア車は人気がなく、その理由は数え切れないほどある」と、調査会社オートパシフィックの社長兼主席アナリスト、エド・キムは指摘する。米国では、複数の乗客や荷物を運ぶ際の“実用性の低さ”が敬遠される最大の原因だという。
高級車ブランドの中には2ドアのスポーツカーを象徴的モデルとして扱う企業もあるが、「ポルシェのような歴史あるブランドでさえ、2ドア車の開発を続けるには、量販できる4ドア車で資金を稼ぐ必要がある」とキムは語る。
「“消費者がどう考えるか”を受け入れようとしない」
サイバーキャブをハンドルなしで販売する構想については、「そんなことが実現するとは思えない」と、匿名を条件に語った元テスラ幹部は言う。「たとえハンドルを付けたとしても、あの仕様は“妥協の産物”にしか見えない。2ドア車がいまどれだけ売れているか考えてみればいい。本当にごくわずかだ。こういう部分こそ、マスクがどうしても苦手な領域だ。彼は“消費者がどう考えるか”を受け入れようとしない」。


