AI生成音楽はなぜ人気を高めているのか
Sunoを含むAIツールで生成された楽曲がビルボード・チャートに登場する例が増えている。ソングライターのテリシャ・”ニッキー”・ジョーンズが作ったAIキャラクター、ザニア・モネ(Xania Monet)はR&Bの売上チャートで1位を獲得し、AI歌手として初めてビルボードのラジオチャートにもデビューした。
ジョーンズはザニア・モネの歌詞をすべて自身で書いているが、ボーカルと楽器演奏はSunoで生成している。ビルボードによれば、ジョーンズは2024年9月にHallwood Mediaと数百万ドル(数億円)規模の契約を結び、入札額は300万ドル(約4億7000万円)に達した。
歌手のケラーニはTikTokでこの契約を批判し、「私に対してAIを正当化できるものは、地球上に存在しない」と投稿した。ジョーンズは11月初めのCBS Morningsのインタビューで反論し、AIキャラクターを自身の「拡張」とみなしていると述べ、「技術は進化しており、人々はそれぞれのやり方で努力している」と語った。
最近では他のAI歌手もビルボード・チャートに登場しており、カントリーAI歌手のブレーキング・ラスト(Breaking Rust)とケイン・ウォーカー(Cain Walker)の2人は、先日ビルボードのカントリー売上トップ10に計3曲をランクインさせた。
Sunoが業界から反発を受けている理由
アメリカレコード協会(RIAA)は2024年6月、原告であるソニー・ミュージック・エンタテインメント、ユニバーサル・ミュージック・グループ、ワーナー・レコーズを代表してSunoを提訴し、著作権保護された楽曲をAI学習に使用したと非難した。
RIAA会長兼CEOのミッチ・グレイジャーは当時、Sunoのように「アーティストたちが生涯を捧げた作品を勝手に複製し、同意も、支払もなく利益のために利用することを『公平』だと主張する企業は、AIがもつ革新的可能性をみずから後退させている」と述べた。
Sunoは法的文書で、著作権保護された素材を使用したことを認めたものの、これはフェアユースの範囲内であり、合法だと主張した。Sunoは、レコード各社は同社の行為を「複製して再現した」と誤って表現していると反論し、「実際の学習は、ロック音楽を熱心に聴いて新しいロック曲を書く方法を学ぶ子どもに似ている」と主張した。
9月に提出された修正版の訴状の中で、RIAAは、SunoがYouTubeから違法に楽曲を抽出し、YouTubeの利用規約とデジタルミレニアム著作権法に違反し、「継続的で大規模な侵害」を促進したと訴えた。
また多くのアーティストがAI音楽生成ツールへの反対を表明している。2024年4月には、ビリー・アイリッシュ、ニッキー・ミナージュ、ケイティ・ペリー、スティービー・ワンダーなど数百人のアーティストが連名で公開書簡に署名し、AI企業に対し、著作権で保護された音楽を使った無許可のAI学習をやめるよう求めた。


