インド洋では多様化が進む
インド洋の魅力には衰える兆しがないが、旅行者はモルディブ以外にも関心を向けている。セーシェルの人気は相変わらず高く、特に来年営業再開を予定しているフレガット島の超高級リゾート、フリゲート・アイランドの再開発が追い風となっている。
マダガスカルは「モルディブに代わる豊かな文化を楽しめる旅行先」として注目を集めつつあり、目が離せない。裸足で過ごせる快適さを売りにしたベアフット・ラグジュアリー・リゾートが3つ(ヴォアラ、ナモロカ・ツィンギ、タイム+タイド・ツァーラ・コンバ)相次いで開業した影響は大きい。
また、モザンビークの比類なき海岸線は、キサワ・サンクチュアリなどのリゾート事業で脚光を浴びており、ラグジュアリー体験型旅行ブランドの&Beyond(アンドビヨンド)の事業拡大や、高級ホテルチェーンのアマンリゾーツによる現地調査の可能性も囁かれている。
船と列車の復権
船旅と列車旅は、多世代グループ旅行や豪華な記念旅行を中心に、2026年に最も変革をもたらすだろう。
フォーシーズンズが来年1月からセーリング旅行の提供を開始するほか、リッツ・カールトンも豪華ヨットでの海の旅に新コースを投入。アマンの参入も(今すぐではないにしろ)期待されている。インドネシアのラジャ・アンパット諸島などで体験できる小型船での探検旅行は、親密な雰囲気や生物多様性、オフグリッドの没入感を求める旅行者のニーズを満たすに違いない。
鉄道旅行もますます勢いを増している。今年は英国でベルモンドの豪華寝台列車、ブリタニック・エクスプローラーが運行を開始。イタリアではアコーの豪華寝台列車ラ・ドルチェ・ヴィータ・オリエント・エクスプレスがデビューし、新ホテルのオリエント・エクスプレス・ラ・ミネルヴァ(ローマ)やオリエント・エクスプレス・ヴェネツィアの開業と連動したサービスを展開している。いずれも、歴史的遺産や伝統を大事にする旅行需要の高まりをうまくとらえた格好だ。


