北米

2025.11.20 08:00

メタが独禁法裁判で勝訴、今後の政策に与える影響

米IT大手メタのロゴ。2025年4月26日撮影(Cheng Xin/Getty Images)

特に重要な点として、ボアズバーグ判事は、動画共有サービスの「ユーチューブ」と「ティックトック」が現在、フェイスブックと激しく競合していると認定した。ティックトックは「従来のSNSがまだ開拓していなかった新たな道を開いた。それは、ユーザーの友人ではなく、ユーザーの興味に基づいてコンテンツを表示する人工知能(AI)アルゴリズムだ」。一方のユーチューブは「ユーザーが動画をアップロードしたり、他のユーザーがアップロードした何十億もの動画を視聴したりできる」サービスであり、「各ユーザーの興味や他のユーザーが視聴している内容に基づいて動画を推薦する」機能も備えている。

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裁判所は、フェイスブック、インスタグラム、スナップチャット、ティックトック、ユーチューブなどが乱立する市場で、メタの占有率は独占的な支配力を示していないと結論付けた。独占的な支配力が存在しない以上、メタは同市場の違法な独占について責任を問われることはない。デジタルアプリの性質に伴う急速な革新で市場は一変し、FTCが描いたデジタル世界は時代遅れとなっていた。

消費者の利益と技術革新を軽視すべきではない

市場定義が裁判所の最終判断の鍵となった一方で、メタの活動が相当な経済的利益を生み出していた事実も明らかになった。ボアズバーグ判事は「利用者が10年前のインスタグラムやフェイスブックのバージョンを現在のバージョンより好むとは到底信じがたい」と指摘し、競争によって推進された製品改良が消費者に利益をもたらしたことを示唆した。

実際、過去の研究によると、SNSに関連する「デジタル商品」は膨大な規模の消費者福祉(主要な学者や最高裁によれば、独禁法の主な目的)をもたらしている。デジタル商品が消費者に年間数兆ドルの利益をもたらしているとの試算もある。

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SNSの革新が米経済にもたらす経済的利益の規模は、強調に値するものだ。デジタル市場の訴訟を担当する米国の裁判所は、独禁法が市場環境の有益な変化を無視すれば危険を招くという事実にようやく気づき始めているのかもしれない。高額な独禁法訴訟を起こして技術革新を阻害することは、「米国を再び偉大に」という目標にそぐわない。政府の独禁法当局はこの点に留意すべきかもしれない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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