経営・戦略

2025.11.27 09:15

オフィス空調の不満放置で集中力7割減 職場のエアコン問題が招くリスク

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多くの企業で、オフィス内のエアコンの温度設定をめぐって「暑い」「寒い」といった声が日々聞かれる。このエアコン問題は、単なる従業員の快適性の話に留まらず、企業の業務効率や生産性に直結する深刻な課題となっていることが、最近の意識調査で明らかになった。

NEXERとエアコンフロンティアによるアンケート調査によると、現在会社に勤めている88%の人が、オフィス内のエアコンは業務効率に「影響を与える」と回答している。

その理由の多くは「暑さ寒さで集中力が変わるから」や「快適な場所じゃないと集中できないから」といったものであり、オフィス環境の快適さが仕事の能率に直結するという認識が広く浸透している。

このエアコン環境が「良くない」場合、具体的にどのような悪影響が生じるかという問いに対しては、69.7%が「集中力が下がる」と回答し、最も多くを占めた。さらに、56.9%が「体調不良(冷え・だるさ・頭痛など)になる」、36.6%が「モチベーションが下がる」と回答しており、不適切な空調は、集中力の低下によるミスの増加や、社員の心身の健康、そして働く意欲までも蝕むことがわかる。

そのため、社員がオフィスのエアコンに求める機能は、人感センサーやAI制御による「自動温度調整機能」を望む声が32%で最も多く、次いで、感染症対策や花粉・におい対策として「空気清浄機能」を求める声も20.3%に上った。つまり、従業員は、個々の体感温度の差を埋め、かつ健康を維持するための「高機能な快適空間」を求めているのだ。

一般的に、賃貸オフィスの場合、空調設備はビルに備え付けられていることが多く、企業の都合だけで高性能なエアコンに入れ替えることは非常に困難である。経営者は、今後のオフィス選びにおいては、単なる立地条件だけでなく、空調性能をはじめとするオフィス環境の質を、戦略的な条件として優先的に評価する時代が来ているのかもしれない。

出典:NEXERとエアコンフロンティアオフィスのエアコンと業務効率に関するアンケート」より

文=飯島範久

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