普段は外部に開放していないクアルコム本社内の研究施設の一部が、イベントに集まったメディア関係者のため特別に公開された。オフラインのままデバイス上で外国語翻訳のAIモデルを軽々と動かしたり、動画解像度のスケールアップ処理を瞬く間にこなすX2 Eliteチップの高い性能に筆者も触れることができた。
なお、Snapdragon X2 Elite、X2 Elite Extremeを初めて搭載するコンシューマ向けのCopilot+ PCは、2026年1月に米国ラスベガスで開催されるエレクトロニクスショー「CES 2026」で、主要なPCメーカーが一斉に発表を予定している。
「テクノロジーのルーツが違う」Snapdragon搭載PCを選ぶべきユーザー
現在はクアルコムと競合するライバルであるインテルやAMDもまた、Copilot+ PCの要件を満たすSoCを発表している。両社に対するSnapdragonの優位性は「テクノロジーのルーツが違う」ことに端を発しているのだと井田氏が説明する。
「x86アーキテクチャは、電源ケーブルに接続して動かす大型コンピュータをルーツとしており、そこに新しいテクノロジーを加えながら進化してきました。一方、クアルコムのルーツである携帯電話やスマートフォンなど、モバイル端末は電源ケーブルをつながずに使うことが前提であり、その上にすべてのテクノロジーが積み上がっています。電源ケーブルを外して、バッテリー駆動にした瞬間にパフォーマンスを落とすという概念がそもそもありません。ゆえにパフォーマンスと消費電力のバランスを重視するという考え方が優位性を生み出せます」
旧来のノートPCの多くは、バッテリー駆動時にはパフォーマンスを意図的に低下させ、バッテリー持続時間を延ばす制御を行っていた。しかしSnapdragon Xを搭載するCopilot+ PCは、電源接続時でもバッテリー駆動時でもほぼ変わらないパフォーマンスを発揮する。スリープ状態から電源を入れた瞬間、ほぼ待ち時間なく画面が復帰し、すぐに操作を再開できる。このようなインスタント・オンの機能もまたユーザーがPCを使い込むほどに実感を伴うメリットになる。「PCを長時間バッテリー駆動で利用するビジネスパーソン、あるいは学生のユーザーなどから多く良いフィードバックが寄せられている」と井田氏は胸を張る。


