砂漠に生えている有名な木は他にも
テネレの木は、サハラ砂漠における最も伝説的な存在だった。しかし、極度の乾燥という逆境に負けずに生きる木は、他にも存在する。世界各地の砂漠で、テネレの木と同様の粘り強さで生きる驚きの木を紹介しよう。
・バーレーン「命の木」
ペルシャ湾に位置するバーレーンの砂漠では、樹齢400年のケジリ(学名:Prosopis cineraria)が、砂漠の真っただ中で葉を茂らせている。見たところ、水源は見当たらない。根を深くまで伸ばし、地下帯水層から水を得ているのだ。加えて、窒素代謝を高める共生細菌も役に立っているのだろう。
地元の人に言わせれば、この木は単に珍しい植物であるだけではない。古代メソポタミアの文献や聖書に記されている伝説の「命の木」を体現する文化的な象徴でもある。
・テネレの木の「後継者」
サハラ砂漠のアイル山地(ニジェール)とタッシリ・ナジェール山脈(アルジェリア)では、テネレの木の象徴的な後継者とみなされた数本のアカシアの木が、保護の下で育っている。現地では、国連とニジェール環境当局の支援を受けた森林再生活動が進行中だ。小規模な植生を復活させ、将来的には砂漠の孤立した植物群同士を結びつけることを目指している。
・トンブクトゥの古代アカシア
西アフリカに位置するマリ共和国の都市トンブクトゥ近郊には、かつてキャラバン隊が通ったルートを示す古いアカシアの木が何本か存在している。テネレの木ほど孤立はしていないが、似たような生態学的役割を果たしている。砂丘を安定させ、日陰をつくっているほか、不毛の地で多様な生物が生きる小さなオアシスの維持を助けているのだ。


