働き方が多様化し、「自分らしさ」が重視される時代。だが、次世代を担うZ世代の多くが、将来の自分像を明確に描けずにいるようだ。
ヒューマンホールディングスが20〜29歳の会社員・公務員・団体職員1000名を対象に実施した調査では、7割以上が「なりたい自分の姿を思い描けていない」と回答した。一方で、描けている少数派は具体的な行動を起こし、着実に準備を進めている。
7割超が答えられない現実
「今後のなりたい自分の姿を思い描けているか」という質問に、「しっかりと思い描けている」と答えたのはわずか4.7%。「ぼんやりとだが思い描けている」19.0%を合わせても23.7%にとどまった。
残りの76.3%は「あまり思い描けていない」(47.8%)、「全く思い描けていない」(28.5%)と回答。社会の変化が速く、多様な価値観が広がる中で、「自分らしくありたい」と願いながらも、その姿を定義できずにいる若者の姿が浮かび上がる。

思い描けている人は何をしているのか
なりたい自分を思い描けている23.7%は何が違うのか。調査では「なりたい自分になるために行っていること」を複数回答で尋ねた。
上位は「スキルアップ」(31.6%)、「勉強・資格取得」(30.8%)、「趣味や好きなことの探求」(28.3%)。さらに「資産形成」(24.9%)、「なりたい自分に必要な要素の洗い出し」(23.2%)、「人生目標の設定」(22.8%)と続く。
仕事のスキルを磨くだけでなく、自分自身を深く知り、経済的な準備も進める。理想を漠然と思い描くのではなく、そこに至る道筋を具体的に設計している様子がうかがえる。
興味深いのは、「SNSなどでの発信(セルフブランディング)」が8.9%にとどまった点だ。外向きのアピールより、実質的な行動や内面の充実を優先する堅実な姿勢が見える。




