北米

2025.11.19 08:00

米国人は資本主義に背を向け始めたのか? マムダニ旋風に企業警戒

米ニューヨーク市で2025年11月11日、退役軍人の日の行事に出席したゾーラン・マムダニ次期市長(Michael M. Santiago/Getty Images))

また、独立税制調査機関タックス・ファウンデーションの2026年版「州競争力指数」で、ニューヨーク州は法人税制の評価で最下位だった。ニューヨーク州では、市税を含めると最高限界所得税率が15%近くに達するため、高所得者や企業は他州に移転するインセンティブがはたらく。

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こうした傾向が今後も続くと、マムダニは支出の拡大を約束しながら、それを支える税基盤が縮小し、脆弱になっていくという事態に見舞われかねない。ニューヨーク市の所得税収のおよそ40%は上位1%の富裕層から徴収されているので、彼らのうちごくわずかでも流出すれば市の財政への影響は深刻なものになり得る。

資本主義は衰退しているのか?

マムダニの台頭を理解するには、資本主義と社会主義に対する米国の若者の見方が変化していることに目を向ける必要がある。

ギャラップの最近の調査によると、資本主義に肯定的な見方をしている米国人の割合は54%にとどまり、数年前の60%から低下している。民主党支持者の間では数字が完全に逆転しており、社会主義に肯定的な見方の人の割合が資本主義に肯定的な見方の人の割合を24ポイントも上回っている。

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この調査結果にショックを受ける読者も多いだろう。けれども、ベンチャーキャピタリストのピーター・ティールは、マムダニの勝利後に再び注目を集めることになった2020年のメールで、こうした状況を的確に説明していた。「学生ローンの負担があまりに大きかったり、住宅の価格が高すぎて手が届かなかったりすると、人は長期にわたって資本がマイナスの状態になる。(中略)そして資本主義システムに利害関係がなければ、それに反感を抱くようになるのは当然だ」

新たな投資機会と金をはじめとする安全資産の効用

政策は変化の前触れであるということを投資家は肝に銘じてほしい。フロリダやテキサス、テネシーといった低税率で成長重視の州への企業や資本の移動が続くとすれば、不動産、インフラ、地方債などの分野で投資機会が見つかるかもしれない。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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