北米

2025.11.19 08:00

米国人は資本主義に背を向け始めたのか? マムダニ旋風に企業警戒

米ニューヨーク市で2025年11月11日、退役軍人の日の行事に出席したゾーラン・マムダニ次期市長(Michael M. Santiago/Getty Images))

多くの若者が既存の組織に対する不信感を示していて、それは彼らを“型破り”な候補者だけでなく、ビットコインステーブルコインといった分散型資産にも向かわせている。

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急進的な政策は企業を圧迫する

マムダニが掲げる政策目標の大半は、一般市民や中小企業の“ウィッシュリスト”のように聞こえる。彼は小規模事業者に対する市の罰金や、1000ドル(約15万5000円)の登録料などの手数料を半額にすることや、許可取得手続きを簡素化し、申請をデジタル化することを約束している。

しかし、マムダニはさらに急進左派的な政策、たとえば2030年までに最低時給を30ドルに引き上げることや、バスや保育の無償化なども公約しており、それはむしろ多くの企業や納税者を不安にさせている。たいていの企業にとって給与支出はすでに最大の経費であり、売上高の15〜30%程度が一般的とされる。

家賃の凍結や公益事業会社の国有化といった案はソーシャルメディアでは受けがいいかもしれないが、こうした政策は善意に基づくものだとしても、民間投資や建設活動などを冷え込ませるおそれがある。

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調査会社のBCAリサーチはこう予想している。「マムダニはニューヨーク市の運営や、無料のあれこれの政策目標の実現に苦労することになるだろう」

ニューヨークからの脱出

大企業は警戒心を強めている。JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックス、シティグループは、すでに数千人の従業員をニューヨークからテキサス州やフロリダ州へ移転させている。これらの州はより税率が低く、規制が緩い。マムダニの政策が実行に移されるにつれて、同様の動きが増えるのではないか。

全米納税者連合財団(NTUF)のリポートによると、テキサス州とフロリダ州では過去10年で調整後総所得(AGI)の総額が合わせて2500億ドル(約38兆8000億円)ほど純増している。高税率の州を逃れて納税者が移ってきたことが主な原因だ。ニューヨーク州は同じ期間にAGIをおよそ1110億ドル(約17兆2000億円)失っている。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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