背景には何が?
Z世代が社会に出て働き始めたころ、採用担当マネージャーの45%は、彼らを一緒に働くのが最も難しい世代だと評価していた。若い世代は「自分のルールが多すぎる、企業側の求めることに従わない、反抗的であり、礼儀作法がなっていない、信頼性や柔軟性に欠ける」などと批判されたのだ。
だが、Z世代は本当に、言われたほど一緒に働きにくい人たちだろうか?この世代は自分たちについて、「独自の視点とスキルがあり、それらはより健全、あるいはより創造的、または生産的だと解釈できる」と主張する。彼らが求めるのは、「死ぬまで働く」という働き方をしてきた年上の世代以上に高い柔軟性とワークライフバランス、より健康的な生活だ。
だが、Z世代はその上の空のようにも見える表情のために、「Quiet covering(静かな隠ぺい、本当の自分を見せないようにすること)」や、「Gen Z Stare(Z世代の視線、無表情なことによる冷めた視線)」といった不当な評価も受けている。
そのほかZ世代の従業員は56%が、人事部門の担当者と話すときでさえ、本当の自分をすべて見せてはいないと答えている。この世代が職場で本当の自分を見せないようにしている可能性は、ベビーブーマー世代より2倍以上高い可能性があるという。さらに、Z世代の従業員のおよそ半数が、強い人だというイメージを周囲に与え、昇進の機会が得られるようにするため、メンタルヘルスの問題やセルフケアの習慣、過去の経験についても隠しているとされる。
いっぽう、専門家らは「Z世代の冷めた視線」について、精神的な負担が大きいと感じられる職場の規範に対する彼らの「自己防衛反応だ」との見方を示している。
学生向けの課題代行サービスを提供する米EduBirdie(エデュバーディー)が行った調査によれば、他人の失敗をひそかに喜んでいるZ世代の割合は、34%だという。そして、この結果は誤って解釈される可能性があるものだという。
つまり、一見ひどいことをしているように思えるこうした行動を理由に、Z世代を嫌う人たちはさらに彼らを批判するかもしれない。だが、専門家たちによると、こうした結果が示される背景には、合理的な理由がある。また、同僚の失敗を見ることによって自分の価値が認められたように感じるのは、ほかのどの世代でも持っている感情だ。そのことは、これまでの他の調査で明らかになっている。


