暗号資産

2025.11.18 09:00

「1兆ドルの下落に備えよ」、市場はビットコインの弱気相場入りを警告

Shutterstock.com

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ビットコイン価格は9万ドル近くまで下落し、10月につけた過去最高値の12万6000ドルからの急落が加速している。弱気相場入りしたビットコインは10月のピークからほぼ30%下落し、暗号資産市場全体の時価総額から約1兆ドル(約155兆円)が消し飛んだ。

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そんな中、アナリストたちは暗号資産市場がさらに1兆ドルの時価総額を失う可能性を警告している。

FXプロの主席市場アナリスト、アレックス・クプツィケビッチはEメールの中で、「暗号資産市場の時価総額は1日で6%以上下落して3兆2600億ドル(約506兆円)となり、7月初旬以来の低水準となった」とコメントした。

「暗号資産市場は安値を更新し、下降トレンド入りした。10月7日のピーク以降、暗号資産市場の時価総額は1兆ドル超、つまり24%下落しており、これはテクニカル的には弱気相場入りを意味する。もし株式市場のルールを当てはめるなら、さらに約20%、つまり約1兆ドルの下落に備えるべきだ」

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直近の下落はビットコインの今年の上昇分をすべて打ち消し、さらには10万ドルの節目も割り込んだことで、トレーダーたちの不安感は急速に高まっている。

B2ベンチャーズ創業者のアルトゥール・アジゾフはEメールの中で、「価格が節目の10万ドルを下回ったことで、10月半ばに発生した大量清算の直後から形成されていた下降チャネルが確認された」と述べた。

「私は8万9000ドルから9万4000ドルのゾーンに注目している。現在、流動性が集中しているのがこのあたりだからだ。もし売り手が圧力をかけ続ければ、最悪のシナリオは2025年4月の7万2000ドルから7万4000ドルのレンジに戻ることである。ここは本格的な強気の勢いが始まり、ビットコインが12万7000ドル近くまで上昇し、過去最高値をつけた起点だった」

暗号資産業界に関わる多くの人々と同様に、アジゾフは長期的には強気の姿勢を保っているものの、市場の下落にも備えている。

「年末から2026年初頭にかけてを見据えれば、私は今起きていることを、明確な弱気シグナルが現れるまでの健全な調整と見ている」とアジゾフは述べた。「回復の可能性は日々低下しているものの、まだゼロではない」

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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