暗号資産

2025.11.18 09:30

バイナンスなど複数の暗号資産取引所が「数百億円規模の犯罪資金移動」に関与か

Pavlo Gonchar/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

暗号資産取引所とは、顧客が暗号資産をその他のデジタル資産や法定通貨と売買、保管、交換できるマーケットプレイス型のプラットフォームである。暗号資産取引所の収益の大部分は、ユーザーの取引量に基づく取引手数料によって生まれている。

advertisement

これらはデジタル資産版の銀行口座のように機能し、伝統的な市場と暗号資産の市場をつなぐ役割を果たしている。バイナンスは世界最大の暗号資産取引所で、1日あたり230億ドル(約3兆5700億円)を超える取引を処理している。

犯罪者は、違法行為で得た暗号資産を通常の通貨へ換金したり、匿名性の高い複数のウォレット間で資金を移動するために暗号資産取引所を利用する。銀行とは異なり、暗号資産取引所は歴史的に本人確認手続きの義務やマネーロンダリング対策の規制を受けてこなかったため、犯罪者が資金を容易に秘匿できた。

また、一部の取引所は「ミキシングサービス」と呼ばれるサービスを提供し、複数の顧客の資金を混ぜ合わせることで不正な資金を正当な資金と混在させ、追跡をほぼ不可能にしている。各規制当局や法執行機関は、取引所がマネーロンダリング対策を導入するよう取り組みを進めている。

advertisement

ドナルド・トランプ大統領はその就任以来、バイナンス、リップル、コインベース、ロビンフッド・クリプトといった業界企業に対する複数の訴追を取り下げたり、後退させたりしてきた。かつては暗号資産業界の監視役として機能していた米国証券取引委員会(SEC)は現在、暗号資産の推進派として知られるポール・アトキンスが委員長を務め、SECの暗号資産タスクフォースの責任者であるヘスター・ピアースもコミッショナーの一角を務めている。トランプは7月、ステーブルコインに関する規制枠組みの整備を目的とした米国初の暗号資産関連法であるGENIUS法に署名した。

バイナンス創業者であるチャンポン・ジャオは、同プラットフォームにおける詐欺防止施策を怠ったとする罪を認めて4カ月の禁錮刑に服した後、10月にはドナルド・トランプ大統領から恩赦を受けた。それ以来、バイナンスはより強い監視にさらされている。

ジャオはトランプ政権につながりのある弁護士やロビイストを雇い、恩赦前の時期にトランプ家の暗号資産事業であるワールド・リバティ・フィナンシャルと数百万ドル規模の契約を結んでいた。一方、トランプはその後、米国のテレビ番組『60 minutes』の中で、チャンポン・ジャオのことは「知らない」と語った。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事