経済

2025.11.23 11:15

高市新政権に企業7割超が期待 ガソリン税廃止と年収の壁

GettyImages

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2025年10月21日に発足した高市早苗新政権が掲げる経済関連政策に対し、企業は強い期待を寄せている。帝国データバンクのアンケート調査によると、高市政権の経済政策について、今後の日本経済への効果を「期待している」と回答した企業は、実に75.7%と、4社に3社にのぼる結果となった。

企業が特に注目し、期待を寄せている個別の政策を見ると、「ガソリン税・軽油引取税の暫定税率の廃止」については、82.1%が期待していると回答。輸送コストの低減を通じて、ものづくり分野における仕入価格の高騰抑制や、幅広い層への恩恵が期待されており、経済全体に好影響を与える政策として関心が高い。しかし、企業からは代替財源が示されていない点に対する懸念の声も上がっており、財政規律を巡る議論は今後の政権運営の試金石となるだろう。

また、働き手の収入増や人手不足の解消につながると期待される「年収の壁引き上げ」についても、65.1%の企業が期待を寄せている。パート従業員の勤務時間短縮問題など、現場の現状に合わない制度の解消を熱望する声が多く、新政権には、社会保険の壁など制度全体の見直しを含めた抜本的な対応が求められている。

高市政権が重点投資の方針を決定した17の戦略分野について、最も期待が寄せられたのは「AI・半導体」で、69.2%がこれを支持した。続いて「防災・国土強靱化」が53.9%、「デジタル・サイバーセキュリティ」が48.2%、「資源・エネルギー安全保障・GX」が46.4%となっており、不確実性への備えを強化するリスク対策分野が上位に並んだ。「防衛産業」も4割近くに達しており、企業経営において、リスク対策と成長投資を同時に進める必要性が強く認識されていることがうかがえる。

高市政権に対する企業の期待は総じて高いが、その期待は政権の「高い意欲とスピード感」という初期評価に依存している面が大きい。積極財政への評価がある一方で、その財源確保や財政規律への懸念も同時に示されている。

今後、新政権がこの高い評価を維持し、日本経済を確かな成長軌道に乗せられるかどうかは、経済活性化の実効性にかかっていることは間違いない。新政権には、日本の強みを活かした分野への成長投資と、不確実性に対応するためのリスク対策を両立させ、景気の好循環を生み出す環境を整えることが、高市政権の真価を問う鍵となるだろう。

出典:帝国データバンク「高市政権に求める経済政策関連アンケート」より

文=飯島範久

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