あらゆる業界において、最も効果的なリーダーたちは現場の従業員を最も価値ある資産として認識している。そして同じリーダーたちは、優れた現場管理職がこの資産を守る上で非常に大きな役割を果たしていることも理解している。
これは数多くの研究によって裏付けられており、その中には米国および他7カ国の1万1000人の労働者を対象とした2023年の重要な調査も含まれる。
2023年12月に発表されたBCGの調査によると、現場管理職の質は、従業員のモチベーション、職務満足度、定着率など、収益に影響を与えるいくつかの重要な要因に大きな影響を与えることが判明した。
「自分の上司に非常に満足している従業員と非常に不満を持っている従業員を比較すると」、調査では優れた管理職は以下のような効果をもたらすことが示された：
- 従業員のモチベーションが300％以上向上
- 従業員の職務満足度が約1,400％向上
- 従業員の離職率が72％減少
つまり、優れた管理職は優れた結果を生み出すのである。
特に離職率の数字は注目に値する。SHRM、Indeed、CareerBuilderなどの情報筋による集計によれば、新しい従業員の採用、雇用、研修にかかるコストは通常、従業員1人あたり数千ドルに上るからだ。
米国労働統計局によると、米国のすべての産業で月間約300万人が退職しており、この数字は過去1年間ほぼ一定している。従業員の定着は銀行に預けたお金に等しく、一方で従業員の離職は窓から捨てるお金に等しいのである。
しかし、多くのC層幹部は現場管理職を過小評価している
何年も前に、世界最大の製薬会社3社の元CEOであるフレッド・ハッサンは、ハーバード・ビジネス・レビューの「現場のアドバンテージ」という記事で、CEOと現場管理職について次のような観察を述べている：
「企業の成功や失敗に最も責任を持つ管理職は、CEOが最も時間を割かない相手でもある」
「私が言及しているのは」とハッサンは書いている。「現場管理職—工場の監督者、R&Dや営業チームのリーダー、レストランチェーンやコールセンターのマネージャーだ。彼らは企業のビジネス運営や機能における最初のレベルの管理職である」
「…典型的には」と彼は書いている。「彼らは企業の管理職の50％から60％を占め、労働力の最大80％を直接監督している」
良くも悪くも、ほとんどの従業員は良い時も悪い時も毎日上司と接し、彼らを会社の中心と見なしている。実際、グローバルな分析会社であるギャラップが述べているように、「ギャラップの最も重要な発見—これまでで—おそらくこれだろう：チームのエンゲージメントの変動の70％は、（チームの）マネージャーだけで決まる」。無能なマネージャーはチームを引き下げる。優れたマネージャーは逆の効果をもたらす。
優れた現場管理職を育成する
カナダのアイビー・ビジネス・スクールが呼ぶように、現場管理職が「組織の成功の要」であるという証拠がすべて示されている中、企業は新任の現場管理職が成功するためのあらゆる種類のコーチング、メンタリング、トレーニング、インセンティブを提供すると思うだろう。
そして、私の慎重な「思うだろう」という言い回しから推測できるように、それは間違いだ。ほとんどの現場管理職は（多くは社内から昇進し、これは非常にポジティブなステップだが）特定のスキルの習熟度によって採用され、その後はほぼ自力で成功するか失敗するかに任されている。
しかし、実際には、優れた労働者になるために必要なスキルと優れた管理職になるために必要なスキルは、特定の領域で重複する場合があるものの、大きく異なる。優れた従業員が必ずしも優れた管理職になるとは限らない。
ハーバード・ビジネス・レビュー・アナリティック・サービスのレポートが説明しているように、現場管理職は明らかに「監督する分野の技術的知識と専門知識を持つ必要がある」。しかし、彼らは「リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決、チームワークなどの『人間』スキルも習得する必要がある」。そして「ますます、彼らは個々の戦術的な従業員目標と上級管理職のより広範な戦略的目標を結びつける任務を負っている」。
これらすべてを考慮すると、現場の従業員は上司に何を最も重視しているのだろうか？我々の研究では以下が特定された：
- 明確で透明性のあるコミュニケーションを提供する管理職
- 良い仕事を認める管理職
- 助けが必要なときにサポートを提供する管理職
残念ながら、ほとんどの現場管理職はそのような管理職になるために必要なトレーニングとメンタリングを受けていない。
HBRアナリティック・サービスの研究者たちがレポートのために上級管理職の横断的な調査を行ったところ、10人中4人が現場管理職が「非常に効果的なリーダーに成長するための十分なツールとトレーニングを受けていない」ことを率直に認めた。回答者のわずか12％が、自社が現場管理職の育成に「十分な量」を投資していると答えた。
優れた現場リーダーを育成するには多大な労力や費用は必要ない。しかし、それには真剣なコミットメントが必要である—将来にわたって配当を生み出すべきコミットメントだ。
