発言力よりも順番が重要な理由
人間は調和を求めるようにできている。意見が示されれば、私たちは無意識のうちにその意見に合わせる。そのため会議では、もしあなたが思慮深く準備万端であれば、最初に発言することで他の人たちの意見の方向性を設定することができる。あなたは耳を傾けてもらえるよう声を大にして言うのではなく、雑音が始まる前に明確さを提供する。
しかし注意点が1つある。最初に発言することは、あなたが信頼性を築き、自分だけでなくチームを前進させるために影響力を行使する場合にのみ力を発揮する。あなたが洞察や証拠、目的を軸に会話を進めているのを目にした人は、あなたが正式にリードしていなくても、あなたに方向性を求めるようになる。
逆もまた真なりだ。その場の第一声が反応的だったり利己的だったり、あるいは情報不足だったりしても、人々はそれでもついていく。ただ、間違った方向へと進む。
だからこそ、最高のリーダーはハーディング現象を意図的かつ倫理的に利用する。下される決定に応じて、誰が最初に発言すべきかを戦略的に考える。
チームにある5つの役割
ほとんどの人は、有能なチームは個性や役職を中心に作られると思い込んでいるが、「あなたはどんなタイプのチームプレーヤーか」というテストのデータによると、最も成功しているグループは5つの異なる役割をバランスよく担っている。それぞれが異なる種類の知性を持ち寄る。
・ディレクターは断固とした推進力を持つ。明確さや競争、結果を糧に成長し、チームを目標と説明責任に集中させる
・アチーバーは実行の達人だ。卓越性や正確性、最後までやり通すことを重視し、計画を具体的な結果に結びつける
・スタビライザーはプロセスの後見人だ。構造や一貫性、リスク管理をもたらし、野心的なアイデアが現実の世界で実際に機能することを保証する
・ハーモナイザーは人間関係の接着剤だ。緊張を早期に察知し、対立を解決し、チームをまとめる信頼と士気を守る
・トレイルブレイザーは革新者だ。限界を押し広げ、挑発的な質問を投げかけ、チームの他のメンバーが考えもしないような創造的な飛躍を促す
これらの役割にはそれぞれ本質的な強みがある。チームは、誰がどの役割を体現しているかを認識することで、潜在能力を最大限に引き出すことができる。


