Loch Lomond(ロッホローモンド)Whiskies, 10 YO, Single Malt Scotch Whisky. 40% ABV, 750 ml. Loch Lomond, 12 YO, Single Malt Scotch Whisky, 46% ABV, 750 ml.
ロッホローモンドは多彩なウイスキースタイルを造るスコットランドでも屈指の多様性を持つ蒸留所である。スコッチ・ウイスキー栄誉リストに2つの異なるエクスプレッションを載せた2蒸留所のうちの1つでもある。
同蒸留所は、伝統的な白鳥首型の銅製ポットスチル、精留用の穴あき銅板を備えたストレートネックのポットスチル、そしてグレーンとモルトの両方を造るコフィー/連続式カラムスチルという、極めて幅広いスチル構成を用いる。
ロッホローモンド/リトルミルの設計は、1950年代のオリジナル「ローモンド・スチル」の変形である。ネックが高く直線的で、穴開き銅板と還流を高める冷却リングを備える。
この多様なスチル群により、ロッホローモンドは度数レンジの異なる11を超えるスピリットスタイルを創出できる。
10年(10 YO)は、ピーティなスモーク、レモンの皮、リンゴ、乾いた藁のようなハーブ香を示す。口中ではライトなスモーク感に、果樹園系果実、加熱穀物、ダイジェスティブ・ビスケット、バニラの風味が重なる。フィニッシュは長く風味豊かで、冷たいスモークと柑橘の皮の余韻が残る。
これに対し12年(12 YO)のシングルモルトは、ハチミツ、オレンジマーマレード、青リンゴ、控えめなスモークの香りを示す。口中はクリーミーでやや甘く、クロワッサンやビスケットのニュアンスに果樹園系果実、ウッドスパイスが重なる。フィニッシュは長くリッチで、ドライフルーツ、バニラ、古樽由来のオークの余韻が続く。
Old Pulteney(オールド・プルトニー)25 YO Single Malt Scotch Whisky, 46% ABV, 750 ml.
ハイランドの港町ウィックにあるオールド・プルトニーは、熟成樽に及ぼす海の影響から「マリタイム・モルト」(海洋性モルト)と呼ばれる。
このウイスキーは、潮風、ドライフルーツ、ハチミツ、柑橘の皮、トフィーの香りを示す。口中はリッチで複雑で、トーストしたナッツ、ドライフルーツ、バニラ、オークスパイス、そして控えめな海由来/旨味系のノートが広がる。フィニッシュは長く、ドライフルーツ、オークスパイス、そしてほのかな海の塩気が続く。持続するブリニー(塩気)のノートはオールド・プルトニーの代名詞である。
The Glendronach(グレンドロナック)Allardice 18 YO Single Malt Scotch Whisky, 46% ABV, 750 ml. The Glendronach, Parliament 21 YO Single Malt Scotch Whisky, 48% ABV, 750 ml.
ハイランドのグレンドロナックは、オロロソとペドロ・ヒメネス(PX)樽を活用した重厚なシェリー系スタイルで知られる。18年(18 YO)の「アラダイス」は蒸留所創業者への献名。21年(21 YO)の「パーラメント」は蒸留所に巣を作るカラスの群れ(a parliament of crows)に由来する。
18年は、豊かなオロロソ・シェリーの香りに、ダークチョコレート、レーズン、クルミ、オレンジの皮のノートが重なる。口中はモラセス、干しイチジク、甘いデーツ、エスプレッソ、ウッドスパイスの風味が広がる。フィニッシュは長く味わい深く、黒系ドライフルーツとココアの余韻が残る。
21年はオロロソとPXの両シェリー樽で熟成する。香りは強烈なシェリー、コンポートした果実、焼きリンゴ、クルミが立つ。口中はリッチでクリーミー、スパイシーで、ドライフルーツ、トーストナッツ、ハチミツ、ウッドスパイス、控えめなペッパーが層を成す複雑さを示す。フィニッシュは長く甘く、ウッドスパイス、ミルクチョコレート、ドライフルーツの余韻が続く。


