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2025.11.17 11:00

グーグル、約6.2兆円を投じAIデータセンター3拠点を米テキサスに新設へ

掲載写真は、ネバダ州のグーグルデータセンター(Shutterstock)

掲載写真は、ネバダ州のグーグルデータセンター(Shutterstock)

複数の報道(1、 2)によると、グーグルはテキサス州で3つのデータセンターを建設するために400億ドル(約6.2兆円。1ドル=154円換算)を拠出する計画だ。これは人工知能(AI)分野の競合各社が、テキサス州で相次いでAIインフラを整備する流れの中での動きだ。

テキサス州内におけるグーグルのデータセンターは合計5拠点になる見通し

ヒューストン・クロニクルによれば、400億ドル(約6.2兆円)はテキサス州内に新設する3拠点のデータセンターに充てられる。建設が完了すれば、同州における同社のデータセンターは合計5拠点になる見通しだ。

ブルームバーグによると、データセンターはアームストロング郡とハスケル郡に設置される。スンダー・ピチャイCEOは記者会見で、「この投資により数千人規模の雇用が生まれ、大学生や電気工見習いに技能訓練を提供し、テキサス全域でエネルギー調達の手頃さを高める取り組みを加速させます」と述べた。

同じくブルームバーグによれば、グレッグ・アボット州知事は、これら3拠点が実現すれば、テキサス州は世界で最も多くのグーグルのデータセンターを擁することになると述べた。

OpenAIとAnthropicも投資、土地の入手容易性と産業用途向け電力の安さが魅力

テキサス州は、土地の入手容易性と産業用途向け電力の安さにより、データセンターにとって魅力的な州となっている。最近、営利部門が5000億ドル(約77兆円)と評価されたOpenAIは、アビリーンに旗艦AIデータセンターを建設中で、2026年に開業予定だ。このデータセンターは、オハイオ州とニューメキシコ州でさらなるインフラを整備するより大きな計画の一部だ。Anthropicは今週、テキサス州やニューニューヨーク州を含む複数州でデータセンターを建設するため、500億ドル(約7.7兆円)を投資すると発表した。

AIモデルの学習と運用に使われるデータセンターの需要が高まる

AI覇権をめぐる競争が激しくなるのに伴い、AIモデルの学習と運用に使われるデータセンターの需要も高まっている。グーグルはデータセンタープロジェクトに約640億ドル(約9.9兆円)を費やしており、一方、マイクロソフトは直近四半期にこれらへの支出として350億ドル(約5.4兆円)を計上した。アマゾンは来年、より多くのデータセンターを設置する方針について「非常に積極的」であると述べている。

UBSの予測では、世界のAI関連支出は年末までに3750億ドル(約57.8兆円)に達すると見込まれ、マッキンゼーの推計では、2030年までにデータセンターに6.7兆ドル(約1031.8兆円)が支出されるという。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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