冬の食卓に欠かせない豚汁が、いま改めて注目を集めている。野菜価格の高騰や専門店の増加によって、具だくさんの汁物が「主役の一杯」として選ばれるようになったことが背景にある。家庭料理であるがゆえに、地域ごとの食文化がそのまま味の差となって現れる点も興味深い。
ファミリーマートが実施した「豚汁についての消費者意識調査」から見えてきた「呼び名」「具材」「味噌」の違いをひもといてみよう。
【調査概要】
実施時期:2025年11月1日(土)~2025 年11月3日(月)
対象:全国の 20~69 歳の男女『豚汁』を家庭で作ったことがある方
調査手法:インターネットリサーチ
サンプル数:700サンプル(エリアごと均等割り付け)
※「北海道、関東、北陸」「北関東」「中部」「関西」「中国・四国」「九州・沖縄」「東北」
調査実施機関 :楽天インサイト
「とんじる・ぶたじる」呼び名の境界線は?
調査ではまず「豚汁」をどのように読むかが問われた。全国的には「とんじる」と呼ぶ人が多いが、北海道と九州・沖縄では「ぶたじる」が一定の支持を集めている。とくに九州・沖縄では約半数が「ぶたじる」と回答し、呼び名の違いが明確に浮かびあがった。SNSの声を見ても、親子間で呼び名が異なるケースがあるなど、地域だけでなく世代の差もにじんでいた。


こうした呼び名の差は単なる方言だけではなく、味覚の文化圏を象徴しているとも考えられる。
東北のじゃがいも、中国・四国のさつまいも
使用する具材にも地域差が現れていた。「豚汁に豚肉以外でどのような具材を入れるか」の設問には、東北エリアでは「芋」「ごぼう」「こんにゃく」といった定番に加え、「豆腐」「白菜」「ねぎ」を入れる人が多く、関東エリア(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)よりも使用率が高い傾向が見られた。一方で、「玉ねぎ」の使用でも明確な違いが出ており、東北エリアでは約5人に1人に対し、中部エリアでは約3人に1人、中国・四国エリアでは4割と、約2倍の結果で味づくりの違いがでた。
また、「豚汁に入れる芋の種類」については、全国的には「里芋」が主流である一方で、東北では約2人に1人が“じゃがいも派”と回答。特に青森県では約8割がじゃがいもを選択しており、地域ごとの“豚汁文化”の違いが顕著に表れていた。さらに、中国・四国エリアでは約4人に1人が“さつまいも派”という結果も出ており、同じ豚汁でも、地域ごとに具材へのこだわりがまったく異なることがわかった。

家庭料理は日常で手に入りやすい食材に強く影響される。今回の結果は地域の農産物や食習慣がそのまま豚汁文化を形づくっていることを示している。



