6. 若手の賃金は回復中
明るい材料が1つある。新卒者の賃金がようやく回復しつつある。2020年から2022年にかけてインフレによって購買力が低下したが、2026年には若手の賃金は2020年の水準を上回ると予測されている。実質賃金は2020年から2022年にかけて4.1%減少したが、その後、回復している。過去3年間の賃金上昇率(4.3%)はインフレ率(3.0%)を上回っている。だが回復は一様ではない。2020年以降、若手の賃金の伸びをリードしている米国の都市は、以下の通りだ。
・ユタ州プロボ:+40.2%
・アイダホ州ボイシ:+30.5%
・フロリダ州オーランド:+30.3%
対照的に、サンフランシスコのような従来給料の高かった市場は19.9%の伸びにとどまった。若いプロフェッショナルにとって、小都市の方がより良い収入と昇進の機会を提供している可能性があり、先行き不透明な経済状況下でこれは前向きな傾向だ。
困難を乗り越えるために
2026年を形作る職場のトレンドは継続的な変化と、従業員と幹部の間での隔たりの拡大を示唆している。雇用不安は根強く、柔軟性を追求すれば昇進を失うため、プロフェッショナルは成功とは何かを再考する必要に迫られている。「幹部は、自分たちと労働者の間に広がる隔たりに注意を払う必要がある」とザオは言う。「この断絶は、2026年に仕事に対する意欲喪失の危機を悪化させる可能性がある」
だが、楽観的な材料もある。賃金は回復しつつあり、チャンスは多く、影響を受けない都市が新たに台頭しつつある。プロフェッショナルにとって重要なのは、新しいスキルを身につけてAIリテラシーを高めること。そして、急速に変化する環境の中でキャリアが上向くよう積極的に自らを管理し、適応力を維持し続けることだろう。


