欧州

2025.11.17 09:00

ウクライナ軍、ロシアのエネルギー施設への無人機攻撃を強化

ロシア南部ノボロシースクのシェスハリス石油ターミナル。2015年8月20日撮影(Sasha Mordovets/Getty Images)

ロイター通信は先月、ロシアがノボロシースク港を既に最大限の能力で稼働させていると報じていた。数カ月にわたるウクライナ軍の無人機攻撃により、ロシアの製油所の稼働停止は記録的な水準に達している。同国が黒海回廊による海上輸出への依存を深める中、ウクライナは海軍の無人機を投入し、攻撃を同回廊に集中させている。

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ウクライナ軍は9月、黒海をはるかに超えて作戦を拡大し、ロシア北部バルト海沿岸のプリモルスク石油ターミナルも攻撃した。同ターミナルはバルト海海底パイプラインの最終地点であり、ロシア政府が制裁を逃れて原油を輸出するために編成した「影の船団」の主要拠点でもある。この攻撃はウスチルガ基地に供給するポンプ場も標的としたもので、ウクライナ軍が現在、到達可能なロシアの輸出網の主要な動脈をすべて標的にしていることを浮き彫りにした。

制裁と無人機攻撃にロシアはどう対処するのか

一方、ロシアの二大石油企業ロスネフチとルクオイルに対する米国の新たな制裁は、中国、インド、トルコの買い手を不安に陥れている。これにより現在、10億バレル近くが海上での滞留を余儀なくされている。制裁と無人機攻撃による経済的・物理的措置が相乗効果を生み、ロシアが石油を輸出し収益化する能力を阻害している。

ウクライナ東部ポクロウシク周辺を含む複数戦線で圧力が高まる中、ロシアは依然として月間約3万人の兵士を徴兵することで戦力を補充し続けている。同国がそのペースを維持できるのは、依然として石油輸出から多額の収入を得て、その資金をロシア人や外国人戦闘員への入隊ボーナスや賃金の支払いに充てているからにほかならない。

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ウクライナの戦略は2つの側面から成る。すなわち、ロシア軍の前線での戦闘能力を低下させると同時に、天然資源の輸出による動員資金調達能力を損なうことで、戦争にかかる費用を引き上げることだ。

ウクライナ国内で開発された巡航ミサイル「フラミンゴ」が最近の攻撃で使用されたとの報道もある。これは同国がロシア領内奥地への攻撃能力を拡大し、与えられる損害の規模が増大していることを示している。ウクライナ軍によるエネルギー施設への攻撃は今後加速する公算が大きく、ロシアは既に限界に達している防空システムで何を守るかについて、費用のかかる決断を迫られることになるだろう。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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