コア・パーパス(中核的存在理由)を明文化する
コア・バリューが会社の「どう機能するか」を表すものだとすれば、コア・パーパスは会社が「なぜ存在するか」を表現するものである。あなたの会社のレゾン・デートル(存在理由)は何か。
それは、測定指標でもなければ、達成すべき目標でもない。組織を継続的に導く「なぜ」である。
具体性を加えるために、エコフレンドリーなフットウェア企業であるオールバーズ(Allbirds)の例を考えてみよう。目的は、単にスタイリッシュで履き心地の良い靴を作ることでも、世界最大のスニーカーブランドになることでもない。むしろ目的は次のようなものに近い――人々がスタイルと快適さを楽しみつつ、より健やかな地球を支えられるよう、靴の作り方そのものを再考すること。
以下は、単なるビジネスモデルや短期的目標ではなく、会社のコア・パーパスを言語化するために使えるプロンプトである。
プロンプト2:
「私の会社のコア・パーパス――利益、指標、短期目標を超えた、私たちが存在する持続的な理由――を言語化している。ここに、私たちの事業の文脈、何をしているか、何を体現したいかを示す。これらに基づき、私たちが行うすべてを導く『なぜ』を、持続的で鼓舞的かつ自社に固有のかたちで言い表すのを手伝ってほしい」。 「I’m articulating my company’s core purpose—the enduring reason we exist beyond profit, metrics, or short-term goals. Below is some context about our business, what we do, and what we hope to stand for. I’d like you to help me spell out the ‘why’ that guides everything we do, in a way that is enduring, inspiring, and specific to our business.」
会社を未来に投影する
企業ビジョンを形作るうえで重要なもう1つの側面は、会社を未来に投影することだ。確かに創業者は、今日のビジネスの成立性を確保しなければならない。しかし持続可能な企業は、明日のニーズも見越し、それに応えるように自らのビジョンを設計する。
ここでもChatGPTが資産になりうる。長期ビジョンをテストし磨き上げるために、さまざまな「もしも」のシナリオを走らせ、現在の方向性がどのように進化するか、あるいは補強を要するかを特定するために活用できる。
ビジョンの草案ができたら、次のプロンプトを試してみよう。
プロンプト3:
「状況が将来変化しても、私の会社のミッションが強固で関連性を保ち続けるようにしたい。これが現時点の企業ビジョンだ:[ここにビジョンを挿入]。今後5〜10年にわたり、このビジョンに影響を与えうる市場の変化、顧客行動の変化、技術の進歩、規制要因、競争環境の変化を考慮し、未来志向の観点から分析してほしい。
そのうえで以下を提示してほしい。ビジョンを強化するための提案/対処すべき潜在的リスクや死角/長期的にビジョンをより強靭にするためのその他の提案。」
「I’d like your help in ensuring that my company’s mission remains strong and relevant as circumstances evolve in the future. Here is my current company vision: [insert vision]. Please analyze it from a future-oriented perspective, considering potential market shifts, customer behavior changes, technological advancements, regulatory factors, and competitive landscape changes that could impact this vision over the next 5–10 years.
Then please provide: Suggestions to strengthen the vision; potential risks or blind spots to address; any other suggestions that will make the vision more resilient over time.」
すべてを統合する
生成AIは、起業をこれまでになく身近なものにしている。私たちはしばしば、ChatGPTのようなツールを、定型的で手作業のタスクを外部化する手段として考えがちだ――しかし、それは会社を特徴づける創造的かつ戦略的な仕事をも支援しうる。もちろんリスクもある。考えること自体を丸投げし、メッセージのニュアンスを失ってしまう危険だ。
しかし明日の最も成功するリーダーは、ChatGPTを戦略的に――置き換えではなくアシスタントとして――使い、自社のビジョン形成のようなインパクトの大きい仕事に活用することを理解している。


