ビリオネアと呼ばれる大富豪たちを「民主主義に対する脅威」とみなす米国人が増えていることが、最新の世論調査結果から明らかになった。また、トランプ政権があからさまに富裕層を優遇する中、米国人の10人中7人が米国政治に対する超富裕層の影響力の縮小を望んでいることもわかった。
米調査会社ハリス・ポールが毎年実施している「米国人とビリオネア」と題した世論調査の最新版によると、ビリオネアたちが米国の民主主義を脅かしていると考える米国人は過半数(53%)に上り、昨年と比較して7ポイント上昇した。
調査では、米国の人々が全体としてビリオネアに幻滅し始めており、個人で蓄財可能な資産額に上限を設けるなど、純資産の多い富裕層への規制強化を望んでいる傾向が浮き彫りになった。
回答者の53%が保有資産額の制限を求めており、昨年の46%から増加。その多くが「100億ドル(約1.5兆円)を超える資産の保有を禁止するべきだ」と考えている。
ビリオネアへの規制強化にも大多数が賛成している。回答者の71%が「ビリオネア税」の導入を支持し、64%が「資産10億ドル(約1500億円)超の富裕層には法令で慈善活動への参加を義務付けるべきだ」と考えている。
また、米国人の3分の1以上が「米国経済は超富裕層を優先する不公平な競争環境だ」と受け止めており、10人中7人以上が「富の不平等は深刻な国家問題だ」とみていることも明らかになった。
回答者のほぼ全員(94%)が米国に富の格差が存在すると認識しており、主な要因として、所得の伸びを上回る生活費の上昇、法人税の抜け穴、手頃な価格の住宅の不足を挙げた。
11月14日時点のフォーブスの試算によると、資産額が100億ドルを超える大富豪は世界で310人に上り、このうち122人が米国籍を有している。



