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2025.11.19 16:00

介護×テクノロジーで挑むヤマシタの「在宅介護プラットフォーマー」構想

人の想いは、世代を超えて受け継がれていく。AIの賢さも味方にしながら、この時代の日本だからこその課題を解決していく。そして、世界の市場へ、介護用品レンタルサービスを軸にしたテクノロジーカンパニーへ、この世にまだないプラットフォームの創生へ。25歳で社業を継いだ3代目の過去・現在・未来をレポートする。


総務省統計局が公表した『敬老の日にちなんだ高齢者の人口』によると、2025年9月15日現在の日本の高齢者人口(65歳以上)は3,632万人で、総人口(1億2,368万人)の29.4%にあたる。また、25年は「団塊の世代(1947〜49年生まれの第一次ベビーブーム世代)」の全員(800万人規模)が75歳以上の後期高齢者となる節目の年であり、後期高齢者人口がはじめて2,000万人を超えて2,020万人となった。

人類史上、75歳以上の後期高齢者が2,000万人を超え、総人口の16%以上をも占める国は、25年の日本を置いて他に存在していない。

1980年代に事業を始めた先見性とその後の持続性が今の基盤に

今、日本という国そのものが「成熟と再編の臨界点」を迎えている。すなわち、「国家・経済・社会・文化に内在する各種のシステムに質的変化を促す閾値(いきち=ある現象が起こり始める境界となる数値や条件)」が訪れている。

しかし、システムが自ら再編を始めるわけではない。質的な再編のスイッチを押していくのは、志を有した人間の仕事である。

「ヤマシタの前身となる静岡リネンサプライは、1963年に創業しています。社名のとおり、当初は医療機関やホテル向けのリネンサプライ事業が中心でした。その後、他社に先駆けて86年に福祉用具・介護用品のレンタルおよび販売事業を開始しています」

ヤマシタは今からさかのぼること39年の時点で、未来を見据えた事業をいち早く始めていた。日本が遂に臨界点を迎えた2025年現在、ヤマシタで代表取締役社長を務めているのは山下和洋だ。

「始めたことはもちろんですが、続けてきたことに意義があると考えています。2000年に介護保険が導入され、福祉用具・介護用品の費用の一部が公費負担に変わったのです。そこから、ようやく市場が拡大を遂げていきます。1986年から2000年まで、市場が伸びていかずに赤字が続くなかでも事業に投資していくためには、相当な決意や覚悟が必要でした」

介護保険制度施行前の市場規模は公的統計が存在しないために不明だが、日本政策投資銀行『高齢者福祉用具市場の動向』(99年)などの資料を参考に算出した概算値ではレンタルと販売を合わせても約150億円とされている。それが、厚生労働省の『介護保険制度下の福祉用具・住宅改修の利用状況』(2005年)によると、05年にはレンタル市場のみで約1,200億円にまで伸びている。

ヘーゲルは『論理の学』のなかで「量の累積が質に転化する」として量と質の弁証法的関係を述べた。 介護保険制度導入という枠組みの変化が市場規模を拡大する以前から「量の累積」を始めていたヤマシタが「質への転化」において他社をリードできるのは、自明の理である。

山下和洋 ヤマシタ 代表取締役社長
山下和洋 ヤマシタ 代表取締役社長

父の想いを継いで3代目の社長に就任、そして粉骨砕身

未来を見据えた事業をヤマシタが粘り強く続けていた時代に創業者の孫として生まれた山下和洋は、会社を継ぐことを使命として厳しく育てられてきた。

「小学6年生のときに書いた卒業論文のテーマは、『介護保険制度』でした。幼いころから、しかも制度が導入される以前から、私は勉強を重ねてきたのです。高校では福祉用具専門相談員の資格を取得しています。大学卒業後にヤマシタに入り、1年目から採用フローの改善や戦略フレームワークの導入などを経験しながら、150人規模の子会社のCOOの役割も担わせてもらいました」

できるだけ早期に会社を継げる人間になりたいと懸命に努力してきた山下だったが、そのときは突然に訪れた。

「入社して4年目に入り、私は25歳でした。父が交通事故に遭って2カ月間ほど生死の境を彷徨い、早逝してしまったのです。私は喪失感に浸る間もないままに、背負ったものの重さをあらためて強く感じながら会社を継ぐことになりました。それは祖父が静岡リネンサプライを創業してから50周年という節目の年のことでした」

以降、3代目の社長となった山下は「リバイバルプラン」を打ち出すなど、会社の改革にスピーディーに着手していく。

「市場がなかった時代に事業を始めた祖父、その事業を継いだ父は、業界の発展そのものに尽くしてきたと言えるでしょう。例えば、02年からは毎年10月1日が『福祉用具の日』と定められました。これは、1993年10月1日に高齢者や障害者の自立支援と介助者の負担軽減を目指した『福祉用具の研究開発および普及の促進に関する法律(福祉用具法)』が施行されたことにちなんで、父が啓発活動を展開して得た成果です。また、父は2007年に『全国福祉用具専門相談員協会(通称:ふくせん)』の設立を主導し、福祉用具個別援助計画書(福祉用具サービス計画書)の標準様式を作成するなど、全国の福祉用具専門相談員の仕事の質の向上にも取り組んできました」

やがて訪れる介護の時代を先取りして汗を流し続けてきた祖父。00年の介護保険制度の導入後、社会に用具の大切さをアピールし、会社の枠を超えて業界で働く人材のレベル向上にも寄与してきた父。この偉大な系譜を継いだ山下は、自社の成長を阻害していた要因を徹底的に洗い出し、社内のあらゆる仕組みや体質を改善していった。

偉大な祖父と父が築いた土台があるからこそだが、3代目の粉骨砕身も並大抵のレベルではなかった。

「どうしたら会社をよくしていけるか——。寝る時間を惜しんで考え、働き続けました。1日の睡眠時間を約2時間にして土日も休みなく学び、働く日々が続きました。そうしてあらゆる改革を進めた結果、就任4年で約3億円から約12億円にまで営業利益を伸ばすことができたのです」

社長に就任して以来、山下を動かしてきたのは、どのような想いだったのか。

「父は『終わりよければ、すべてよし』という言葉、考え方が好きでしたが、無念な最期を迎えてしまいました。しかし、私は『まだ終わりじゃないよ』と父に言いたかった。私が会社を継ぐことで、父の無念を晴らしたい。幼いころから社長になることを想像しながら育ってきた自分が実際に社長になったときの熱源は、そこにありました。以来、ずっと私の頭のなかにあるのは『ナンバー1のサービスを提供していきたい』という想いです。質の高いサービスを、より多くの人に使っていただきたいのです。社会にとってなくてはならない、ナンバー1のサービスで社会に貢献していきたい。それこそが、父が果たせなかった『終わりよければ、すべてよし』にもつながっていきます」

リアルな接点を生かして「在宅介護プラットフォーマー」へ

危機や変革期を契機に変えていくヤマシタの取り組みは、コロナ禍以降にさらに加速している。

「この先がどうなるかわからないコロナ禍において戦略の練り直しをしました。また、生成AIの登場が大きな分岐点になっています。リネンにしても介護用品にしてもレンタルビジネスには、労働集約的なレガシー産業というイメージがありますよね。このレガシー産業が生成AIの登場という時代の転換点を経て、モダンな産業へと変わっていく。その道筋が見えたのです」

山下の頭のなかには、いわゆるブルーカラーとホワイトカラーの中間としての「スカイカラー(空色)」が浮かんでいるという。

「例えば、ローコード/ノーコード開発もAIによって強化・自動化される方向に進みました。プログラムの専門知識をもっていない現場のスタッフがアプリなどを開発できる時代になっています。スマホのカメラを使って介護用品の配置イメージをAR(拡張現実)で確認できるアプリなどにより、『お客様の利便性』と『働く人の仕事の効率・やりがい』を共に上げていくことが可能になっているのです」

志を有した人間集団のなかにAIを埋め込んでいくことの可能性。これに気づいた人間集団が、今後の世界を変えていく。

「逆に言えば、無限ではない人間のリソースをどのように現場に生かしていくかです。そこを突き詰めていかない限り、今後の日本は沈んでいくことになるでしょう」

今、ヤマシタは沈まない国・日本を展望すると同時に、アジアの市場も射程距離に入れている。

「20年に上海市に現地法人を設立し、介護用品のレンタル・販売、介護用住宅改修事業を開始しています。中国政府は、21年3月に高齢化社会への対応を『国家戦略』に格上げしました。25年3月に発表された政府の活動報告では、社会保障とサービス政策の充実を図るための具体的な項目のひとつとして、『介護用品の購入・レンタルへの支援を拡充』という方針が示されました。私たちは、世界でナンバー1のサービスを提供する会社になるべく前進を続けています」

さらにこれから先の時間軸において目指していることのひとつが、「在宅介護プラットフォーマー」であるという。

「福祉用具専門相談員がいて在宅介護の利用者とリアルな接点を有しているのが、私たちのストロングポイントです。この強みを存分に生かしながら、今後は単に用具・用品をレンタルする事業者であることを超えて『在宅介護プラットフォーマー』としての存在感を示していきたいと考えています」

このプラットフォームは、GAFAMには創れない。創れるとしたら、この時代の日本において、山下和洋という3代目のアントレプレナーがいるヤマシタを置いて他にない。

在宅介護が行われる家庭がこれからも増えていくことは確実だ。また、その家庭のそれぞれには、介護用品以外のニーズも数多く存在するはず。そうした各種のニーズに対し、リアルな接点を生かしながら、テクノロジーを活用したソリューションを提供する。ヤマシタは「在宅介護プラットフォーマー」として世界に貢献することを目指している。


ヤマシタ
本社/〒427-0195 静岡県島田市中河737
URL/ https://www.yco.co.jp
従業員/2,829名(2025年3月末現在)

やました・かずひろ◎2010年、慶應義塾大学法学部卒業後、ヤマシタに入社。13年、先代である父の急逝により25歳で社長に就任。経営基盤の強化と事業の選択・集中を推進し、社員数を10年で1,600人から3,000人へと拡大。福祉分野の造詣は幼少期から深く、高校時代に福祉用具専門相談員資格を取得。


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promoted by EY Japan / text by Kiyoto Kuniryo / photographs by Takao Ota / edited by Akio Takashiro