キャリア・教育

2025.11.22 11:15

50代の生存戦略とAI習得、定年延長でも逃げ切れないか

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終身雇用モデルが崩壊し、定年延長で70歳まで働くことが現実になりつつある今、50代は「このままでは逃げ切れない」という危機感に直面している。同じスキルセットで残り20年を戦えるのか。AIやDXで既存の仕事が消えていく中、50代のキャリア戦略が大きく変わり始めている。

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スキルシェアサービス「ストアカ」を運営するストリートアカデミーが50代以上のユーザー293名を対象に実施した調査から、学び直しを通じてキャリアを再設計しようとする動きが浮かび上がった。

3人に1人が異分野への挑戦を選択

50代にセカンドキャリアの志向を尋ねたところ、32%が「現役時代とは異なる分野のキャリアに挑戦したい」と回答した。さらに、そのうちの45%が既に資格取得やリスキリングで準備を始めている。

注目すべきは、セカンドキャリアの方向性として「趣味や特技を活かしてキャリアを築きたい」が約5割に上った点だ。これは単なる趣味の延長ではなく、年功序列賃金が限界を迎える中で、市場価値のあるスキルを新たに確立しようという動きと見ることができる。

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生きがいより先に立つ経済的現実

セカンドキャリア準備の目的として最も多かったのは「好きなことや得意分野を活かして自己実現するため」だったが、次いで「定年後の収入を確保し、生活の安定を図るため」が挙がった。

「心身の健康を保つため」や「社会とのつながりを維持するため」といった回答も多く、一見すると精神的充足を重視しているように見える。しかし、収入確保と自己実現・社会参加の両立を意識している50代が48.8%に上っている事実は、「好きなことを仕事に」という理想の背後に、経済的持続可能性への切実な関心があることを示している。

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文=池田美樹

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