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2025.11.17 15:00

「貨物輸送の未来にとって転換点」運転席がない自動運転トラック企業Einride、SPAC上場

2022年3月、 SXSWカンファレンスに展示されたEinride ABの自動運転トラック(Photo by Hutton Supancic/Getty Images for SXSW)

「貨物輸送技術の未来にとって転換点」──CEOや経営陣が語るSPAC上場の意義

EinrideのCEO、ルーズベー・チャーリは、今回の同社のSPAC上場に向けた契約締結に関して、「貨物輸送テクノロジーの未来にとっての転換点だ」と語った。「私たちは技術を実証し、グローバル企業の信頼を獲得し、自動運転と電動化のオペレーションが“実現可能なだけでなく、より優れている”ことを示してきた。この取引により、当社は世界展開を加速し、顧客に対してスピードと精度を両立できるテクノロジーを提供する。その基盤は整っており、需要も明確だ。今後はその実行に集中し、貨物輸送の未来を形にする」。

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「Einrideは創業当初から、単なる技術開発ではなく、産業そのものの変革を目指してきた」と語るのは、創業者で取締役会エグゼクティブチェアマンのロバート・ファルクだ。「私たちはルーズベーとそのチームとともに強固な基盤を築き、いまやそのビジョンの実現に向けて動き出す好位置につけている。業界に電動化と自動運転の未来をもたらす準備は整っている」。

一方、Einrideの最高技術責任者(CTO)、ヘンリク・グリーンは、「自動運転向けに設計した当社独自の技術基盤と、車両の種類を問わない“ベッセル・アグノスティック”なアプローチが、Einrideに大きな競争優位をもたらしている。安全実績と商用運行の経験がすでに示されている当社は、電動化と自動運転への移行が進む市場で大きな機会を獲得できる立場にある」と語った。

LegatoのチーフSPACオフィサー、エリック・ローゼンフェルドは、「今回のEinrideとの取引は、革新的で業界をリードする技術を公開市場にもたらすという当社のビジョンに合致している」と語る。「Einrideが築いてきた顧客との関係、規制面の実績、そして技術基盤は、貨物輸送産業の変革におけるリーダーとなる素地を示している。市場環境は良好で、タイミングも整っており、Einrideには世界の物流の姿を大きく変えるこのトレンドを捉えるだけの運営能力があると確信している」。

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評価額は約2772億円、2026年上半期に取引完了を目指す

今回の取引は、Einrideの事前評価額を18億ドル(約2772億円)とするもので、同社の総手取額は、Legatoの公開株式の償還や取引関連費用、追加の資金調達などを考慮する前の段階で約2億1900万ドル(約337億円)と見込まれている。Einrideは、成長の加速を目的として、最大1億ドル(約154億円)規模のPIPE(私募増資)を通じた資金調達も進める計画だ。また以前に発表されたとおり、この取引は2025年にEinrideが既存および新規の機関投資家から調達した1億ドル(約154億円)のクロスオーバー資金によって、追加的な支援を受けている。この投資には、米国拠点のグローバル資産運用会社やEQT Ventures、NordicNinjaなどが参加していた。

取引完了後、Einrideの既存株主は、1億ドル(約154億円)のPIPE調達を前提とした場合、取引後の想定持ち分比率の約83%を保有する見通しだ。Einrideの現経営陣は、取引完了後も引き続き同社の経営を担う。この取引は、Legato Merger Corp. IIIとEinrideの両社の取締役会によって全会一致で承認されており、今後、規制当局の承認など通常のクロージング条件を満たすことを前提に、2026年上半期に完了する予定だ。

今回の取引に関する詳細は、米証券取引委員会(SEC)のウェブサイトから取得できるLegatoのフォーム8-K(Current Report)で参照できる。

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翻訳=上田裕資

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