自社開発の自動運転技術と安全性で差別化、LiDARなど活用のキャビンレスEV戦略を進める
Einrideによれば、同社の自動運転の技術基盤は、ドライバーレス運行を前提にゼロから完全に内製したもので、顧客企業の自動運転貨物輸送への移行コストを大幅に引き下げるという。このソフトウェア基盤は、Einride独自の運転席を持たない「キャビンレス」の自動運転車両に組み込まれ、実際に同社の荷主顧客向けの自動運転オペレーションで使用されている。また、この技術基盤は、車両の種類を問わず活用でき、Einride独自のキャビンレス電動トラックだけでなく、複数の車両プラットフォームに展開可能だという。そのため、防衛分野や特殊な民間用途など、新たな収益源の獲得につながるとされている。
Einrideは、自社が「キャビンレスの大型自動運転車の公道での運行許可を世界で初めて取得した企業」だと述べている(欧州では2019年、米国では2022年に取得)。同社は、これまでの全運行において一切事故を起こしていないと述べている。
Einrideは、自動運転の大型商用車分野で業界標準になりつつある、LiDARとカメラ、レーダーを組み合わせた認識システムを採用している。こうした複数方式のセンサー群に、モーションセンサーとGNSS(全球測位衛星システム)による追跡データを加え、それらをEinride独自のデュアルパス型ソフトウェアアーキテクチャに集約している。このアーキテクチャは、人間に近い運転挙動を生む一次のディープラーニングモデルと、規制承認の基盤となる二次のルールベースかつ決定論的なシステムで構成され、その二層構造がガードレールとして機能する仕組みだ。
安全性を武器に規制対応が進化、承認プロセスは数週間に短縮
Einrideは、安全性が事業運営の根幹であり、同社が各種の規制承認を獲得してきた基盤になっていると強調する。同社は、自社独自のセーフティケースを用い、文書化された安全設計を第三者による監査のもとで運用することで、実証済みの安全記録を維持している。この安全性の枠組みにより、Einrideは北米と欧州の4カ国で、大型キャビンレス自動運転車の公道走行許可を取得してきた。
重要なのは、同社の規制対応が進化している点だ。初期には承認までに9カ月を要したが、最近では数週間で許可が取得できるようになっており、Einrideのソリューションが規制当局から受け入れられつつあること、そして当局との関係で実績を積み重ねてきたことを示している。
筆者は、EinrideのCEO、ルーズベー・チャーリとの会話のなかで、米国とEUの公道における自動運転トラックの規制環境をどう見ているのかを尋ねた。彼は、欧州の状況は米国と似ており、ドライバーレス車両の許可においては都市や州(EUの場合は加盟国や自治体)が鍵を握ると語った。「欧州での導入は問題ない。必要な許可は加盟国や自治体と協力して取得できるからだ」と述べ、EUの規制が進化している点についても前向きな見方を示した。


