韓国消費者院の2025年9月調査によれば、翌朝配送ユーザーの98.9パーセントが「引き続き利用を希望」と回答し、サービス中断時は64.1パーセントが「大きな不便を感じる」と答えている。「#새벽배송살리자(翌朝配送を守ろう)」というSNSのハッシュタグは2025年11月時点で48万件を突破し、ママカフェ(ママ友だちのネットワーク)やワーキングマム、単身世帯、零細事業者からも強い支持を集めている。
この翌朝配送問題は「労働安全vs生活便利」という二項対立を超え、社会的インフラや零細ビジネス、雇用制度など社会全体の問題に発展している。
流通産業協会、消費者団体、政治家の一部などは「生活インフラの破壊決定」「若年経済やスタートアップにも甚大な影響」と反発。零細事業者や小商工人連合会も「ネット販売ルートの遮断は取り返しのつかない打撃」だと警鐘を鳴らす。
一方、「最低限の健康権擁護が最優先」とする進歩系市民団体や政府関係者も存在する。調整案として「夜間特別手当制度の拡充」や「交替勤務制」、「段階的縮小」なども議論され始めたが、消費者の大多数は「翌朝配送の恒常化とサービス維持」を圧倒的に支持している。
メディアや世論が映す「韓国的矛盾」
テレビ討論やニュースでは、民労総提案に対し「当事者である夜間労働者は、むしろ禁止に反対している」との現場レポートが多く、新聞社説やネット世論も「現場の声が無視されている」とする論調が優勢だ。
特にSNSでは、民労総に対しても「現場を知らず机上の空論ばかりの進歩勢力」との批判や、「労働権や生存権、消費権のバランス」を求める意見も増えている。
民労総は「夜間労働がもたらす健康被害への懸念だ」ともっともらしい理由をつけて「夜間労働禁止」を提案しているが、実はCLS労組が2023年に同連盟を脱退したことへの腹いせなのではないかという説もある。実際、CLS労組が民労総に所属していた時には、同連盟は「翌朝配送」について何も意見はいわなかった。
こうしたことからも「翌朝配送全面禁止」は、CLS労組のみならず、民労総とは異なる韓国労総系も含め、実際の配達員たちは「生存権への威嚇」として捉えられ、現実とのギャップが浮き彫りになっている。
「翌朝配送」をめぐる今回の論争は、単なる労働条件の問題ではなく、「便利な社会」を下支えする現場労働、革新的経済エコシステム、生活と健康権、そして現実的な社会的合意の新たなあり方を象徴している。
現場労働者や消費者、産業団体、労働組合と各当事者がそれぞれの生存権や便利さ、正義を主張するなかで、妥協と調整を模索する「韓国型ガバナンス」の最前線がまさにこの「翌朝配送」論争なのである。


