キャリア

2025.11.20 09:15

キャリアの分岐点は20代。30代転職の失敗を避けるための必須スキル

Getty Images

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キャリア採用の門戸は広がっているが、30代人材に対する企業の目は厳しい。人材採用支援サービスを展開する学情が企業・団体の人事担当者387名を対象に実施した調査では、9割が「即戦力」を期待し、書類選考段階で経験の質と量を精査していることが明らかになった。

9割が即戦力プレイヤーを期待

調査で「30代の中途入社者に期待する役割」を聞いたところ、「即戦力となるプレイヤー」が90.2%と圧倒的多数を占めた。次いで「チームのマネジメント補佐」が47.0%で続いたものの、まずは現場で成果を出せる人材を求める企業の姿勢が鮮明だ。

企業からは「20代にはない経験やスキルを発揮して組織を牽引してほしい」「まずはプレイヤーから始めて本領を発揮してほしい」といった声が寄せられた。一方で、「まずはプレイヤーとして、その後は本人の適性も見ながらマネジメントも見据えて期待」「次の世代の管理職候補として、他社での経験を活かしてほしい」など、将来の幹部候補としての期待も高い。

書類選考は経験重視、面接は人柄重視

選考の各段階で企業が重視するポイントには明確な違いが見られた。書類選考では「経験してきた業務内容」が87.1%でトップとなり、「経験した職種・業種」73.4%、「転職回数」68.0%、「転職理由」66.9%と続いた。書類選考の段階では、これまでの経験の質と量が厳しく吟味される。

対照的に、面接では「人柄・社風との相性」が78.0%で最多となり、「コミュニケーションスキル」76.2%、「経験してきた業務内容」70.8%という結果になった。書類選考を通過した後は、組織にフィットするかどうか、チームで円滑に働けるかという観点が重視されている。

30代採用が映す20代の重要性

今回の調査で注目すべきは、企業が30代に求めていることの明確さだ。即戦力として成果を出せる、そのための確かな経験と専門性を持っている。これは裏を返せば、20代のうちにどれだけ実務経験を積み、スキルを磨いてきたかが、30代での転職市場価値を決定づけるということだ。

30代の採用市場が求める人材像は、20代のうちにしっかりキャリアを積んでおかなければ30代以降の転職は厳しくなることを示唆している。キャリアの分岐点は、想像以上に早く訪れるのかもしれない。

【調査概要】
調査期間:2025年10月10日~10月22日 
調査対象:企業・団体の人事担当者387人
調査方法:Webアンケート調査

プレスリリース

文=池田美樹

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