日本時間の11月14日午前5時55分、ジェフ・ベゾス率いるブルーオリジンが大型ロケット「ニューグレン」の2度目の打ち上げに臨み、再利用型の第1段ブースターを自律的に着陸させることに初めて成功した。また、打ち上げから33分後には、NASAの火星探査機「エスカペード」を予定軌道に投入した。商業運用されている機体でブースターの自律着陸に成功したのはスペースXに次いで2社目。機体としてはスペースXのファルコン9、ファルコン・ヘビーに続き3例目となる
ベゾス氏の傘下にあるブルーオリジンとアマゾンでは、通信衛星群を構築する「プロジェクト・カイパー」や、アルテミス計画で使用される月着陸機「ブルームーン」、民間宇宙ステーション「オービタル・リーフ」など、複数の大型宇宙事業に着手している。今回ニューグレンの本格運用に目処がついたことで、これらのプロジェクトが一気に加速すると思われる。
自律着陸に成功
ニューグレンは全長98mの2段式ロケットであり、第1段には液化メタンを燃料とする「BE-4」エンジンを7基搭載している。今回の打ち上げ成功によって、地球周回軌道へのペイロード投入を果たした実運用としては、アポロ計画のサターンV(110.6m)、アルテミス計画のSLSブロック1(98.2m)に次いで、史上3番目に巨大なロケットとして記録される。
第1段ブースターは再使用型であり、その着陸テストは今年1月の初打ち上げでも実施されたが、エンジンが再点火せずに失敗していた。今回のミッション名は「Never Tell Me The Odds」(「確率なんて言うな」)とされているが、これは映画『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』の劇中で、ハン・ソロがC-3POに言ったセリフに由来する。こうした命名は自律着陸の難易度の高さを暗喩したものと言える。
打ち上げから3分12秒後、高度80kmで第2段(上段)から切り離された第1段ブースターは、方向を変えて自律的に落下を開始した。その約4分後にはBE-4エンジン3基を再点火し、大気圏再突入時の降下速度を落とすために28秒間噴射した。さらにその1分7秒後には再度エンジンを点火して、フロリダ沖数百kmに停泊する海上プラットフォーム「ジャクリン」に、ポイントから外れることなく正確に自律着陸した。



