宇宙

2025.11.14 10:30

ベゾスの大型ロケット「ニューグレン」が自律着陸に成功、NASA火星探査機を軌道へ投入

(c)Blue Origin

(c)Blue Origin

日本時間の11月14日午前5時55分、ジェフ・ベゾス率いるブルーオリジンが大型ロケット「ニューグレン」の2度目の打ち上げに臨み、再利用型の第1段ブースターを自律的に着陸させることに初めて成功した。また、打ち上げから33分後には、NASAの火星探査機「エスカペード」を予定軌道に投入した。商業運用されている機体でブースターの自律着陸に成功したのはスペースXに次いで2社目。機体としてはスペースXのファルコン9、ファルコン・ヘビーに続き3例目となる

ベゾス氏の傘下にあるブルーオリジンとアマゾンでは、通信衛星群を構築する「プロジェクト・カイパー」や、アルテミス計画で使用される月着陸機「ブルームーン」、民間宇宙ステーション「オービタル・リーフ」など、複数の大型宇宙事業に着手している。今回ニューグレンの本格運用に目処がついたことで、これらのプロジェクトが一気に加速すると思われる。

自律着陸に成功

ニューグレンの打ち上げ時の質量は1500トン。うち1300トン以上を推進剤が占める (c)Blue Origin
ニューグレンの打ち上げ時の質量は1500トン。うち1300トン以上を推進剤が占める (c)Blue Origin

ニューグレンは全長98mの2段式ロケットであり、第1段には液化メタンを燃料とする「BE-4」エンジンを7基搭載している。今回の打ち上げ成功によって、地球周回軌道へのペイロード投入を果たした実運用としては、アポロ計画のサターンV(110.6m)、アルテミス計画のSLSブロック1(98.2m)に次いで、史上3番目に巨大なロケットとして記録される。

ブルーオリジンは実運用されたロケットにおいて史上3番目の全長を誇る。スターシップV3は実証試験中 (c)Blue Origin
ブルーオリジンは実運用されたロケットにおいて史上3番目の全長を誇る。スターシップV3は実証試験中 (c)Blue Origin

第1段ブースターは再使用型であり、その着陸テストは今年1月の初打ち上げでも実施されたが、エンジンが再点火せずに失敗していた。今回のミッション名は「Never Tell Me The Odds」(「確率なんて言うな」)とされているが、これは映画『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』の劇中で、ハン・ソロがC-3POに言ったセリフに由来する。こうした命名は自律着陸の難易度の高さを暗喩したものと言える。

ニューグレンにおける2回目のミッション「NG-2」のシーケンス図 (c)Blue Origin
ニューグレンにおける2回目のミッション「NG-2」のシーケンス図 (c)Blue Origin

打ち上げから3分12秒後、高度80kmで第2段(上段)から切り離された第1段ブースターは、方向を変えて自律的に落下を開始した。その約4分後にはBE-4エンジン3基を再点火し、大気圏再突入時の降下速度を落とすために28秒間噴射した。さらにその1分7秒後には再度エンジンを点火して、フロリダ沖数百kmに停泊する海上プラットフォーム「ジャクリン」に、ポイントから外れることなく正確に自律着陸した。

海上プラットフォーム「ジャクリン」に自律着陸したニューグレンの第1段ブースター (c)Blue Origin
海上プラットフォーム「ジャクリン」に自律着陸したニューグレンの第1段ブースター (c)Blue Origin
次ページ > 史上初、2機編隊の火星探査機「エスカペード」

編集=安井克至

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事