3. 称賛・注目がないと自我を維持できない
称賛されるとナルシストは自我を強め、関心が向けられないと自我は弱まる。このため、ナルシストは膨れ上がった自我を維持するために、絶えず肯定される必要がある。ひとたびその供給が尽きると、つまり人々が賞賛したり注目したりしなくなると、ナルシストは崩壊し始める。
ナルシストの特徴が少ない人も、時折こうした傾向を示すことがある。例えば、専門誌『Memory & Cognition(メモリー・アンド・コングニション)』に2024年に掲載された研究では、人は根拠が弱い、あるいは正当性の乏しい議論でも、自分がすでに信じていることと一致する場合、受け入れることが多いことが示されている。これは知能や科学リテラシーが高い人にも当てはまった。このバイアスを減らす唯一の要素は、科学的推論と積極的なオープンマインドだった。
おそらく自分勝手な世界観に多くをつぎ込んでいるナルシストにとって、他人に認められることを絶えず必要とすることは、反論や矛盾に対する同じ抵抗を反映している。しかしナルシストの場合、それは衝動だ。称賛されなくなると自己イメージを守る心理的な支えを失い、避けるようになっていた真実に直面せざるを得なくなる。
皮肉なことに、ナルシストは注目を求めれば求めるほど、より不安を感じるようになる。被害者がナルシストの自我を満たすことを止めれば、ナルシストは必要とする称賛を失い、安定した自己意識がないという真実に直面しなければならなくなる。
4. 説明責任と真の愛を恐れている
真の親密さには、少なくともある程度の弱さが必要だ。自己反省ができないナルシストが親密さを苦手とするのは、このためだ。ナルシストは自分の防衛機制を認識し、正直さを要求する人を恐れている。恋愛も同じように感情面での忠実さや共感、責任を求めるため、ナルシストは恋愛を恐れることがある。
専門誌『Personality and Mental Health(パーソナリティ・アンド・メンタル・ヘルス)』に2022年に掲載された研究記事によると、親密さへの恐怖に対処する手段として、ナルシストは理想化と自分の価値の切り下げの間で揺れ動く傾向があるという。そして、親密さが自分の力に挑むとき、ナルシストは非難したり、後退したりするような戦術に戻る。
この研究は、自尊心の弱い人の場合、説明責任と真の愛情が強い羞恥心を引き起こすことを示唆している。病的なナルシストはこの羞恥心を感じなくてすむように、敵対的で対立的な行動をとる。
ナルシストにとって自分の欠点や不正行為を認めることは、自我を完全に犠牲にすることに似ている。この意味で、常に説明責任と弱さが求められる健全な真の愛は、ナルシストにとって悪夢となりうる。真の愛は、ナルシストがこれまでずっと守ってきたかもしれない自分自身の一部を脅かすのだ。


