北米

2025.11.14 08:00

43日間続いた米政府閉鎖が終結、トランプが「つなぎ予算案」に署名

Win McNamee/Getty Images

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現地時間11月12日夜、史上最長となった米連邦政府の閉鎖はドナルド・トランプ大統領が「つなぎ予算案」に署名したことで終結し、43日ぶりにすべての政府機能が再開されることとなった。

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下院はこの法案を賛成222票、反対209票で可決した。この下院での採決は、上院が60対40の票差で同法案を可決してから2日後に行われたものであり、その際には民主党上院議員の8人が賛成にまわった。

今回可決された法案により、連邦政府機関の資金は2026年1月30日まで確保される。トランプ大統領は米東部標準時の午後9時45分に法案へ署名する。

今回の閉鎖は、第1期トランプ政権で起きた2018年の政府閉鎖(35日間)を上回り、過去最長の43日間となった。政府が閉鎖されてから最初の4週間で給与を受け取れなかった政府職員の数は、おおよそ140万人にものぼる。

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閉鎖期間中、「フードスタンプ」という以前の呼び名でも知られる補足的栄養支援プログラム(SNAP)の給付が停止された。その結果、複数の州が給付停止を理由にトランプ政権を提訴し、政府閉鎖という非常事態を理由に、米国民へ一部給付を行うための緊急資金の使用を求めた。最高裁は、政府に全額給付を命じた下級審の判決を一時停止しており、閉鎖解除後に受給者がどの程度迅速に支援を受けられるかは依然として不透明である。

また、空港では保安要員や航空管制官の給与未払いにより人手不足が発生し、全米で航空便が減らされた。経済統計の公表や博物館の運営など、その他の公共サービスも閉鎖の影響を受けた。

この政府閉鎖は、議会が政府資金を維持するための歳出法案を可決できなかったことにより、10月初めに始まった。医療保険制度改革法(オバマケア)の補助金延長をめぐる共和党と民主党の対立により、この膠着状態は長期化することとなった。

民主党は年末に期限を迎える補助金の延長を求めたが、共和党は「補助金延長について12月中旬に採決を行う」という交換条件のもとで、つなぎ予算案の上院通過に必要な民主党票を確保しようとした。しかし、一部の民主党議員は、共和党がこの約束を守るかどうか、あるいは補助金延長を本当に承認するつもりがあるのかについて、懐疑的な見方を示している。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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