幸いなことに、集中的な保全管理が功を奏し、かつて絶滅寸前だったタカヘは、個体数が500羽を超えるまでに回復した。
4. ヒメフクロウインコ:アウトバックの亡霊
オーストラリアの鳥類学者にとって、ヒメフクロウインコ(学名:Pezoporus occidentalis)ほど消息をつかみにくく、伝説めいた鳥はそういない。この種が初めて学術的に記載されたのは1861年のことで、当時でさえ逸話的な観察報告しかなかったが、20世紀初頭にはそれさえも途絶えた。80年以上にわたり、確実な観察記録はなく、生存を疑問視する人々もいた。
ところが2013年、ナチュラリストのジョン・ヤングが、クイーンズランド州の乾燥した内陸部で、初めて正真正銘の生きたヒメフクロウインコの写真を撮影することに成功した。2019年に学術誌『Australian Field Ornithology』に掲載された論文によれば、追加研究により、この隔絶された砂漠地域に、いくつかの小規模個体群が残存していることが確認された。
この鳥は、夜行性で人目を嫌い、人里離れた生息地に暮らしているために、1世紀近くにわたり発見されずにいたのだ。
ラザロ分類群が教えてくれること
重要なのは、再発見されたからといって、その種はもう安全だと保証されるわけではないことだ。ラザロ分類群のほとんどは、学術的記録が再び得られてから相当の年月を経た今もなお、絶滅寸前のままだ。
これらの種は、確かに再発見によってセカンドチャンスを得たが、同時に私たちに大きな責任を課すことにもなった。保全従事者たちは、可能なかぎり迅速な対応をとり、これらの種がそもそも絶滅寸前に陥った原因である脅威から、彼らを守らなければならない。
シーラカンス、ロードハウナナフシ、タカヘ、ヒメフクロウインコはいずれも、生命のレジリエンスと、科学が備えるべき謙虚さを物語る存在だ。絶滅宣言は、必ずしも正しいとは限らない。だが、私たちが現状追認に安住すれば、本当に取り返しがつかないものになるだろう。


