1500万人のユーザーが支える成長、売上高約154億円を達成
現在、約1500万人の学習者がSpeakをダウンロードし、双方向のAIチューターを相手に会話を練習し、外国語をより流暢に、そして自信を持って話せるようになろうとしている。評価額が10億ドル(約1540億円。1ドル=154円換算)のSpeakeasy Labsは11月12日、年間算売上高が1億ドル(約154億円)を突破したと発表した。成長の主な原動力は、消費者向けビジネスの事業の堅調さだ。Speakは当初は無料で、追加のコンテンツへのアクセスに80ドル(約1万円)から200ドル(約3万円)を支払う仕組みになっている。
2024年に法人向け事業にも乗り出す
Speakeasy Labsはまた、2024年に法人向け事業にも乗り出した。きっかけは、一部の利用者が「会社に費用を負担してほしい」と利用者の雇用主に働きかけ始めたことだった。現在、KPMGやHDヒュンダイを含む約500社が主に韓国で従業員向けにSpeakのサブスクリプションを提供している。同社は、日本や台湾などでも利用者を増やしたうえで、2025年6月に米国市場で本格的な展開を始めた。
「文法」の競合Duolingo、「会話の流暢さ」のSpeak
Speakeasy Labsの成長ぶりは目覚ましいが、最大の競合との距離はまだ大きい。同社の売上は、2024年7億2400万ドル(約1115億円)を計上し、2025年末には10億2000万ドル(約1571億円)に達すると見込むDuolingoには遠く及ばない。DuolingoもAIに巨額の投資を行っており、創業者兼CEOのビリオネア、ルイス・フォン・アーンが掲げる「誰もが安価に外国語を学べる自動チューターを作る」というミッションのもと、「Lily(リリー)」と呼ばれるAIキャラクターとのカジュアルなビデオ通話による学習サービスを提供している。
ズウィックは、特に米国でDuolingoが圧倒的な存在感を持つことをよく理解しているが、それでもSpeakの差別化に自信を持っている。Duolingoが文法や語彙の習得に重きを置くのに対し、Speakは、会話の流暢さを磨き、言語の筋肉記憶を作り、発音を矯正することで、「声に出して話すことに慣れる」ことに重点を置いている。「この目標は、まさにSpeakというアプリ名の通りだ」とズウィックは言う。「このアプリの利用者は、他の語学学習アプリの5〜10倍も声に出して話している」と彼は主張する。
「真剣な学習」を目指す、ゲームとは一線を画す
ズウィックは、DuolingoとSpeakでは、利用者の体験がまったく異なると率直に語る。「語学も学べるスマホゲームというのは、結局のところ、暇なときにスマホを触る罪悪感を少しごまかすためのものだ。つまり、Duolingoは“ゲームよりは健康的な代替物”にすぎない」と彼はフォーブスに語った。「でも私たちがやろうとしているのは、それとは違うもっと真剣な取り組みなんだ」


