「老化は病」。投資額100億ドル突破、ロンジェビティテックという大新潮流

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日本でロンジェビティ・ビジネスは流行るのか?

では、日本でもロンジェビティ・ビジネスは定着するでしょうか?

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私は「欧米とは違う形で進む」と考えています。日本では“老化=自然なもの”という価値観が根強く、欧米のようなバイオハッキングや遺伝子治療には慎重な視線が向けられがちです。しかしその一方で、漢方や温泉、発酵食品など“ナチュラルな養生”に対しては強い関心があります。

日本におけるロンジェビティは、「ウェルビーイング」や「セルフケア」の延長線上にあるライフスタイルビジネスとして進化していくと考えています。

企業側でも、健康経営や副業制度の導入、60代以降の活躍支援など、キャリア寿命を伸ばす取り組みが始まっています。ロンジェビティは個人のテーマであると同時に、組織や社会の構造改革でもあります。

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実は日本がロンジェビティに注目すべき理由は他にもあります。世界の国々は長寿大国日本に注目しているのです。

日本人が持つ「ikigai」をもって健康に長く幸せに働き続ける─キャリア・ロンジェビティは、これから海外展開も視野に入れた大きなビジネスチャンスになるのではと考えています。

後藤宗明「リスキリング『人材戦略編』」( 日本能率協会マネジメントセンター)
後藤宗明『リスキリング「人材戦略編」 』(日本能率協会マネジメントセンター)




後藤宗明◎一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ代表理事。SkyHive日本事業担当。早稲田大学政治経済学部卒業後、1995年に富士銀行(現みずほ 銀行)入行。営業、マーケティング、教育研修事業を担当。2020年、10年かけて自らを「リスキリング」した経験を基に、リクルートワークス研究所にて「リスキリング〜デジタル時代の人材戦略〜」「リスキリングする組織」を共同執筆。2021年、日本初のリスキリングに特化した非営利団体、一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブを設立。2022年、AIを利用してスキル可視化を可能にするリスキリングプラットフォーム、SkyHive Technologiesの日本代表に就任。石川県加賀市「デジタルカレッジKAGA」理事、広島県、茨城県、山形県にてリスキリング推進委員、経済産業省「スキル標準化調査委員会」委員、リクルートワークス研究所 客員研究員を歴任。政府、自治体向けの政策提言および企業向けのリスキリング導入支援を行う。

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