宇宙

2025.11.13 11:30

「X5.1」太陽フレアで大規模な磁気嵐、地上で宇宙線量の増加を観測 各地でオーロラも

太陽フレアの熱画像。米航空宇宙局(NASA)作成(Heritage Space/Heritage Images/Getty Images)

頻発する大規模な太陽フレア

NASAによれば、X5.1クラスの太陽フレアそのものが比較的まれな現象だが、現在の太陽活動第25周期ではさらに強力なフレアがたびたび発生している。

advertisement

・2024年10月3日 — X9(第25周期で最強、世界各地でオーロラ観測)
・2024年5月5日 — X8.7
・2024年10月1日 — X7.1
・2024年2月22日 — X6.3
・2024年5月11日 — X5.9(世界各地でオーロラ観測)

太陽フレアの規模は、米気象衛星GOESが観測したX線の強度に基づき、小さいほうからA、B、C、M、Xの5段階で等級分けされている。クラスが1つ上がると、X線の強度は10倍大きくなる。観測史上最強の太陽フレアは、2003年11月4日に観測された推定X28クラスである。

「太陽活動極大期」の現状は

太陽は現在、約11年周期の活動のピークを過ぎたと考えられている。現在の第25周期で最も活動が活発になる「極大期」は2024年10月に始まったとみられており、X5クラスの太陽フレアが発生するのはこの時以来だ。

advertisement

今回の突発的なX5.1クラスのフレアは、第25周期において二重のピークが生じる可能性を指摘する理論の裏付けとなるかもしれない。もしも一部の専門家が提唱するこの理論が正しければ、地球は2035年までオーロラが発生しやすい状態が続く可能性がある。

米ウィスコンシン州モンロー上空の夜空を染めるオーロラ。2025年11月11日撮影(Ross Harried/NurPhoto via Getty Images)
米ウィスコンシン州モンロー上空の夜空を染めるオーロラ。2025年11月11日撮影(Ross Harried/NurPhoto via Getty Images)

オーロラ発生の仕組み

オーロラは、太陽から放出された荷電粒子の流れである太陽風と地球の磁場との相互作用によって発生する。ほとんどの荷電粒子は磁場によって偏向するが、一部は磁力線に沿って地球の両極に向かい、高層大気中の酸素や窒素の原子と衝突して励起させる。このとき放出されるエネルギーがきらめく光を放ち、オーロラとして観測される。

太陽活動の極大期には、太陽フレアやCMEが頻繁に起こる。特にCMEは地球へ向けて大量の荷電粒子を放出する。これが数日後に地球に磁気嵐をもたらし、オーロラ現象を引き起こすのだ。

SEE
ALSO

サイエンス > 宇宙

壮大なオーロラ、今後50年間は規模も頻度も高まる? 研究結果

(forbes.com原文12

翻訳・編集=荻原藤緒

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事