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2025.11.15 16:30

米国で成功を収め、凱旋帰国した和魂洋才のスピリッツ:iichiko SAITEN

iichiko彩天

iichiko彩天

Forbes JAPAN本誌で連載中の『美酒のある風景』。今回は11月号(9月25日発売)より、「iichiko彩天」。国内製造の大麦麹のみを使用する全麹仕込み、さらに常圧で蒸留することで、深い“うまみ”が最大限に引き出される1本だ。


海外の、特にアジアの高級レストランで席につくと、「とりあえずシャンパーニュ」ではなく、「とりあえずカクテルはいかがですか」と勧められるようになった。店ごとにシグネチャーカクテルが用意され、実に多彩なラインナップだ。一方、世界のバー業界は2022年に史上最高の約3600億ドル規模に達し、バーは単なる飲食を超えたエンターテインメントとして進化し続けるなど、今、世界でカクテルが熱い。

ではこのカクテルシーンで日本の存在感を示すためには? 国産ウイスキーの人気は著しい。わずかではあるが日本で生まれたスタンダードカクテルのレシピもある。しかし、カクテルの約6割で使われているジンやテキーラ、ラムなどホワイトスピリッツにおいて、メイド・イン・ジャパンの存在感は……残念ながら世界ではまだまだ薄い。

「焼酎は日本が誇るホワイトスピリッツ。世界のバーでテキーラやラムのようにカクテルベースとして使われたら、焼酎はもっと大きく発展すると考えています」

そう語るのは、日本を代表するバーテンダーである後閑信吾だ。自身が率いるバー「The SG Club」は、世界各国からバーラバーがやってくる有名店であり、今年8月にオープンした「参階」(東京・渋谷)で展開するカクテルのコースが早くも耳目を集めている。この日はこれまで米国を中心に海外市場で展開し、今年ようやく日本でもリリースされた焼酎「iichiko彩天」を使って特別なカクテルをつくってくれた。本来、ジンとベルモット、カンパリでつくる「ネグローニ」を、「i ichiko彩天」をベースに、「みむろ杉」(日本酒)と梅のリキュールを使ってツイスト。その名も「KOJI NEGRONI」だ。

「従来の本格麦焼酎に比べ、度数が高く、カクテルベースとして使いやすいことが最大の特長。また、国内製造の大麦麹のみを使用する全麹仕込み、さらに常圧で蒸留することで、深い“うまみ”が最大限に引き出されています。日本産のホワイトスピリッツとして唯一無二の存在になれるのではと期待しています」

国内では“下町のナポレオン”としておなじみの「いいちこ」から生まれた新本格焼酎「iichiko彩天」は、すでに海外のトップバーテンダーの間では広く知られる存在になっているのだという。焼酎ベースのカクテルがいつしか世界のスタンダードとなる日もさほど遠くはないのだろう……などと思いを巡らしながら飲むのもまた楽しい。

iichiko彩天

容量|700ml
度数|43%
価格|3080円(希望小売価格)
問い合わせ|三和酒類 0978-32-1431 (平日9:00~17:00)

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写真=長谷川 潤 文・構成=秋山 都

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