暗号資産

2025.11.13 09:30

ゴールドマン・サックスが「雇用鈍化」を示唆、ビットコインには追い風か

Yalcin Sonat / Shutterstock.com

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ビットコイン価格は11月初旬の売りから約6%反発し、約10万5000ドル(約1600万円。1ドル=154円換算)まで回復した。だが依然として、その価格は12万6000ドル(約1900万円)という史上最高値からは大きく離れている。

しかし先日、ゴールドマン・サックスは、米国の雇用が2020年後半以来最大の落ち込みを見せていると警告した。現在、連邦準備制度理事会(FRB)は12月の会合を前に経済データを急ぎ集めている最中であり、この雇用の弱さがビットコイン価格を押し上げる要因になると見られている。

ゴールドマン・サックスの試算によると、米国の非農業部門の雇用者数(官民両方の雇用を合わせた指標)は10月に5万人減少した。

ゴールドマン・サックスのアナリストはウォール・ストリート・ジャーナルによる取材に対し、「私たちの求人件数、および労働市場の逼迫度を追跡する指標は引き続き低下しており、新たに設定した解雇(レイオフ)を追跡する指標も過去数カ月間で増加を示した」と述べている。この雇用の減少は、2020年後半以来で最大だ。

史上最長となった政府閉鎖は今週にも終結する見込みだが、これによって9月および10月の非農業部門の雇用統計の公表が遅れており、FRBは進行中の経済状況を把握できずにいる。

テイガス・キャピタルのアナリストはEメールで、「政府の再開が近づいたことで、市場心理の改善、流動性の拡大、米国におけるアルトコインETFの上場などの暗号資産規制の進展、そして12月10日のFRBによる利下げの可能性が高まり、これらすべてがビットコインおよび他のデジタル資産にとって良い材料になるだろう」と述べた。

予測市場のポリマーケットでは、12月に利下げが実施される予想確率がここ数カ月で徐々に上昇している。トレーダーたちは、景気減速に対する懸念がインフレ再燃に対する懸念を上回ることで、FRBが追加の利下げを行うだろうとの見方を強めている。

暗号資産取引所のビットゲットで最高マーケティング責任者を務めるイグナシオ・アギーレは、「FRBによる今後の利下げ期待が高まる中で、流動性の高まりがリスク資産への資金流入をさらに強める可能性がある」とEメールでコメントした。

「季節要因による追い風と機関投資家の需要拡大が重なり、ブロックチェーンやデジタル資産が革新を加速する舞台は整いつつある。主要なカタリストは、規制がより明確になり、大規模なETFを通じて機関投資家の資金流入が進み、そして、低金利が持続しているといった世界的なマクロ要因であり、このいずれもが、暗号資産の長期的なエコシステムの拡大と、一般への普及を支えるだろう」

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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