キャリア・教育

2025.11.16 12:00

仕事で生き残るためにAI講座を受けて「学んだ」これからも大事なこと

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自分の仕事には人工知能(AI)の影響は及ばないと、かつては思っていた。間違いだった。

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Jobs for the Future(教育と労働力開発の分野を手掛ける米国拠点の非営利組織)の上級副社長として、私はしばしば「これからの仕事は何か」と問われる。整然とした一覧を示せたらよいのだが、ひとつ確かなことがある。AIは、私自身を含め、ほぼあらゆる職務、組織、産業を再構成するということだ。

長年、私は自動化が主に現場の仕事を脅かすと想定し、自分のリベラルアーツの学位と公共政策の学識経験が変化からの防波堤になると考えていた。しかし、AIツールが研究の統合、アイデアの創出、さらには判断の模倣といった、かつては人間特有のものと考えていた作業をこなし始めたとき、私は、自らその変化を体験せずして「仕事の未来」を他者に助言することはできないと悟った。

AI基礎講座から小さく始める

私はCoursera上のGoogle AI Essentialsの講座から始めた。初心者向けに設計された入門編だ。思っていたより直感的だった。1日ほどで、私はChatGPTやGoogle AI Studioを使い、リサーチや執筆の進め方を効率化できるようになった。

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以前はウェブのアラートに頼り、白書を手作業でダウンロードしていた。今はレポートをAIツールに直接アップロードし、簡潔な要約、洞察の抽出、繰り返し現れるパターンの可視化を得ている。かつては数時間かかった作業が数分間(時には数秒)で済むようになった。

職場でAIツールを使う

私は汎用のAIツールで学んだことを、自らの組織向けに調整されたエンタープライズツールと組み合わせて活用した。これにより、メール、報告書、提案書、データセットといった複数のシステムに散在する豊富なコンテンツを横断的に検索し、意味づけできるようになった。その結果、トレンドの特定、アイデアの連結、新しい概念の生成が格段に速くなった。

最近のプロジェクトでは、教育水準、産業、地域といった雇用の主要な決定要因を特定し、これらの要因が労働者の各グループでどのように異なるかを示す必要があった。私は10の決定要因と8つの人口集団を特定した。以前なら、文献レビューや研究論文を読み込むのに数週間を要したはずだ。

今回は、雇用の各決定要因と、成果が人口集団ごとにどう異なるかに関するエビデンスを示すマトリクスを作るようChatGPTに依頼した。数分で、従来のやり方なら作成に数週間かかったであろう高レベルの要約が生成された。AIは、印象的な速度で堅実な出発点を提供した。

さらに重要なのは、AIツールによって自分の時間の使い方が変わったことだ。情報の処理や分類に費やす時間を減らし、洞察の統合、人間関係の構築、インパクトを高めるパートナーシップの形成に、より多くの時間を割けるようになった。

データサイエンティストである必要はない

新しいスキルを学ぶのは気後れするものだ。取り残されるのではないかと不安に思うなら、あなただけではない。私も同じだった。しかし、時代に適応することは、機械学習エンジニアになることを意味しない。日々のワークフローに無理なく持続可能な形でAIを組み込む方法を学べばよいのだ。

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翻訳=酒匂寛

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